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2018年6月22日(金)

ラジオ第2 2018年6月22日(金)の放送内容

スー・チーロヒンギャ問題を語る

SUU KYI: GIVE US TIME

2018年6月8日のニュース

英語タイトルのSUU KYI「スー・チー」は、ミャンマーアウン・サン・スー・チー国家顧問のことで、コロンのあとは述べた内容を表しますので、SUU KYI: GIVE US TIMEは「スー・チー氏は時間をくださいと述べた」です。
ミャンマーの事実上の指導者であるアウン・サン・スー・チー氏が、NHKの単独インタビューに応じました。少数民族ロヒンギャについて、どのようなことを語ったのでしょうか。また、国際社会からの批判に対しては、どのように答えたでしょうか。こうした点に注意しながら、スー・チー氏のメッセージを英語で学習しましょう。

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Myanmar's de facto leader Aung San Suu Kyi sat down for her first one-on-one with NHK in five years. In the interview, Aung San Suu Kyi said deep-rooted anti-Rohingya sentiment cannot be resolved overnight.
The Nobel Peace laureate has been under fire for not speaking out about one of the world's biggest refugee crises. An estimated 700,000 Rohingya have fled Myanmar to neighboring Bangladesh since last August. The United Nations has called the military offensive against the minority group a textbook case of ethnic cleansing.
Aung San Suu Kyi says she cannot fully respond to the international community's criticism.

(Aung San Suu Kyi / Myanmar's State Counsellor)
"Very few people in Myanmar are aware of all the historical issues that are involved. So, it's not just for the world outside. It's also for our people inside the country to understand what's going on and why we take the steps that we take."

Aung San Suu Kyi says criticism that her country is not protecting the rights of the Rohingya is wrong.

 

センテンスごとに学ぶ

センテンス 1
Myanmar's de facto leader Aung San Suu Kyi sat down for her first one-on-one with NHK in five years.cal
ミャンマーの事実上の指導者であるアウン・サン・スー・チー氏が、5年ぶりにNHKの単独インタビューに応じました。
解 説

de factoは、ラテン語からきた言葉で「事実上の」という意味です。最近よく使われるde facto standardは「事実上の標準や基準」です。de facto leaderは「事実上の指導者」です。なお、アウン・サン・スー・チー氏の肩書は、state counsellor「国家顧問」です。
sit downは「着席する」ですが、ここでは比喩的に「会談を行う、インタビューを受ける」という意味で使っています。
one-on-oneは形容詞で「1対1の」、副詞で「1対1で」という意味ですが、ここではone-on-one interviewを指して名詞として使われています。
for her first one-on-one with NHK in five years「彼女が5年間で初めてNHKと1対1で」は、アウン・サン・スー・チー氏が2013年にNHKの単独インタビューに応じたことがあり、今回のインタビューが5年ぶりであったことをこのように表しています。

センテンス 2
In the interview, Aung San Suu Kyi said deep-rooted anti-Rohingya sentiment cannot be resolved overnight.cal
インタビューの中でアウン・サン・スー・チー氏は、反ロヒンギャの根深い感情が一夜にして解消されることはないと述べました。
解 説

deep-rooted anti-Rohingya sentimentは「根深い反ロヒンギャの感情」で、これはミャンマーの人々が抱える感情を指しています。
resolveは「解決する、解消する」です。
overnightは「一夜にして、たちまち、突然に」という意味です。

センテンス 3
The Nobel Peace laureate has been under fire for not speaking out about one of the world's biggest refugee crises.cal
このノーベル平和賞受賞者は、世界最大の難民危機のひとつについて口を開いていないとして非難されてきました。
解 説

laureateは「(ノーベル賞などの)受賞者」です。laurel「月桂冠」が勝利や栄誉のしるしとして与えられることから、それをいただいた人、栄誉を授かった人のことを指し、本文のようにノーベル賞の受賞者に対してよく使われます。アウン・サン・スー・チー氏は、1991年にノーベル平和賞を受賞しています。
under fireは「攻撃の的になって、非難を受けて」という表現です。
speak outは「(意見を)はっきりと言う、声を上げる」という意味です。
crisesはcrisis「危機」の複数形で、refugee crisesは「難民危機」です。

センテンス 4
An estimated 700,000 Rohingya have fled Myanmar to neighboring Bangladesh since last August.cal
去年の8月以来、推定70万人のロヒンギャの人々が、ミャンマーから隣国のバングラデシュに避難しています。
解 説

an estimated 700,000 Rohingyaは「推定70万人のロヒンギャ」です。
fledは、flee「逃げる、避難する」の過去分詞です。have fledと現在完了形になっているのは、今でも避難の状態が続いているからです。
2017年8月、ミャンマーではロヒンギャと呼ばれる少数派のイスラム教徒の武装勢力に対し、治安部隊による掃討作戦が行われました。国連は、これをきっかけに数十万人のロヒンギャの住民が隣国のバングラデシュに避難したことを明らかにしています。

センテンス 5
The United Nations has called the military offensive against the minority group a textbook case of ethnic cleansing.cal
国連は、この少数民族に対する軍事的攻撃は民族浄化の典型例だとしています。
解 説

このセンテンスでは、callのあとにやや長い2つの目的語が続き、「AをBと呼ぶ」という形になっています。Aに当たるのがthe military offensive against the minority group「その少数民族に対する軍事的攻撃」、Bに当たるのがa textbook case of ethnic cleansing「民族浄化の教科書どおりの例(典型例)」です。
ここでのtextbookは「教科書的な、典型的な」という形容詞です。

センテンス 6
Aung San Suu Kyi says she cannot fully respond to the international community's criticism.cal
アウン・サン・スー・チー氏は、国際社会の批判に対して十分には対応できないと述べています。
解 説

notがfullyの前に置かれると部分否定になるので、cannot fully respondは「完全には(十分には)対応できない」という意味です。
international communityは「国際社会」です。

センテンス 7
"Very few people in Myanmar are aware of all the historical issues that are involved. So, it's not just for the world outside. It's also for our people inside the country to understand what's going on and why we take the steps that we take."cal
ロヒンギャにまつわる歴史的問題を全て認識している人は、ミャンマーでほとんどいないのです。ですから、単に外の世界だけではなく、国内の人々も何が起こっていて、なぜ私たちがこのような対策を取っているのか理解していただきたい」
解 説

アウン・サン・スー・チー国家顧問が、国際社会からの批判に対して状況を説明し理解を求めています。
very fewは「ほとんどない、ほとんどいない」という否定の意味です。
be aware of ...は「~を認識する、~に気付く」という表現です。
the historical issues that are involvedは「ロヒンギャの人々にまつわる歴史的背景」です。
what's going onは「何が起こっているのか」です。
ここでのstepは「対策」で、why we take the steps that we takeの部分は「なぜミャンマー政府が現状のような対策を取っているのか、その背景には何があるのか」を含意しており、批判するのではなく、その点を国内外で理解して欲しいと述べています。

センテンス 8
Aung San Suu Kyi says criticism that her country is not protecting the rights of the Rohingya is wrong.cal
アウン・サン・スー・チー氏は、ミャンマーロヒンギャの人権を守っていないという批判は間違っていると述べています。
解 説

Aung San Suu Kyi says criticism that ...の部分は、Aung San Suu Kyi says (that) criticism that ...と補足すると分かりやすくなります。criticism「批判」の内容はそれに続くthat以下で、スー・チー氏が述べているのはcriticism that ... is wrong「~という批判は間違っている」です。
her country「彼女の国」は、ミャンマーを指しています。
ここでのrightsは、human rights「人権」です。