2018年5月22日(火)
米大使館エルサレム移転で衝突勃発
EMBASSY OPENING SPARKS VIOLENCE
英語タイトルのEMBASSY OPENING SPARKS VIOLENCEは「大使館の開設が暴力行為の引き金に」です。
トランプ政権がエルサレムに大使館を移転したのに対し、パレスチナ側は大規模な抗議デモを行い、イスラエル軍による実弾射撃で多数の犠牲者が出ました。
今回のニュースで、エルサレムをめぐる問題を英語で学びましょう。
We begin in the Middle East, where tensions are high following Monday's opening of the United States embassy in Jerusalem. The ceremony sparked rallies across the region and a deadly crackdown by Israeli forces on Palestinian protesters. Palestinian officials say dozens have been killed and thousands were injured.
Monday's embassy opening comes just months after President Donald Trump recognized the city as Israel's capital. The move infuriated Palestinians, who see East Jerusalem as the capital of their future state.
Critics say the move has endangered the United States' leading role in peace negotiations, but Trump stressed his commitment to the process.
The U.S. previously maintained an embassy in Tel Aviv, but upgraded the consulate general in Jerusalem to embassy status. The move was sped up to coincide with the 70th anniversary of the founding of Israel.
Israeli Prime Minister Benjamin Netanyahu welcomed the opening.
In stark contrast, protesters clashed with Israeli security forces in Gaza and the West Bank.
センテンスごとに学ぶ
ニュースの冒頭ですので、we begin in the Middle East「(この番組では)中東のニュースから始めます」と述べています。
tensionは「緊張」という意味です。
embassyは「大使館」です。
Jerusalemは、ユダヤ教・キリスト教・イスラム教の聖地「エルサレム」です。
トランプ政権は5月14日(月曜日)、イスラエルの建国70年に合わせてイスラエルの首都と認定したエルサレムに大使館を移転し、トランプ大統領の娘のイバンカ氏らが出席して式典が行われました。
the ceremony「その式典」は、アメリカ大使館のエルサレム移転を記念した式典を指しています。
sparkには、名詞で「火花」という意味もありますが、ここでは動詞で「火をつける、引き金となる」という意味です。
rallyは、政治や宗教の「(野外)集会」で、このニュースでは米大使館移転に対する抗議デモを指しています。
across the region「その地域全体」は、ガザ地区などパレスチナの各地を指しています。
deadlyは「死者が出るほどの、厳しい」です。
crackdownは「弾圧、締めつけ、取り締まり」です。句動詞crack downなら「厳しく取り締まる、弾圧する」ことです。
protesterは、protest「抗議する」+-erから成る単語で、デモなどで「抗議(活動)する人」です。protestorと表記する場合もあります。
Palestinianは、形容詞では「パレスチナ(人)の」、名詞では「パレスチナ人」です。ここでは形容詞で、Palestinian officialsは「パレスチナ暫定自治政府の関係者」です。
dozenは「12個、ダース」で、dozensは「数十、かなりたくさん、多数」です。
ここでのrecognizeは「(公式に)承認する」です。名詞形は、recognition「認識」と言います。
the city「その都市」は、エルサレムを指しています。
トランプ大統領は去年12月に、エルサレムをイスラエルの首都と認定しました。大使館の移転は、極端なイスラエル寄りの姿勢をとるトランプ大統領の中東政策を象徴する動きです。
the move「その移転」は、アメリカ大使館のエルサレムへの移転を指しています。
infuriateは「激怒させる」という意味です。
エルサレムを将来の独立国家の首都と位置づけるパレスチナは激しく反発し、各地での抗議行動につながりました。
endangerは、danger「危険」にen-を付けて動詞にした単語で、「危うくする」です。
negotiationは「交渉」で、peace negotiation(s)は「和平交渉」です。
ここでのstressは「強調する」という動詞です。
日本語でも「コミットメント」というカタカナで多用されていますが、commitmentは日本語に訳しにくい単語のひとつです。ここでは、責任を持って確約し取り組むことです。
the process「その過程」は、和平交渉の過程を指しています。
previouslyは「以前は」という意味です。
upgradeは「格上げする」です。
consulateは「領事館」で、consulate generalは「総領事館」です。ちなみに、「領事」ならconsul、「総領事」ならconsul generalと言います。
動詞speedは不規則動詞と呼ばれ、speed(原形)-sped(過去形)-sped(過去分詞)と変化します。speed upは「加速する」という句動詞です。
イスラエルは70年前の1948年5月14日に独立を宣言しました。一方で、イスラエルの建国に伴い、大勢のパレスチナ人が住んでいた土地を追われて難民となりました。
Benjamin Netanyahu「ベンヤミン・ネタニヤフ」は、イスラエルの首相です。
ネタニヤフ首相は式典で、"This is a great day for Israel. It's a great day for America. It's a great day for our fantastic partnership. But I believe it's also a great day for peace."「イスラエルにとって最高の日です。アメリカにとって、我々のすばらしい協力関係にとって、最高の日です。それだけでなく、平和にとっても最高の日だと考えます」などと述べました。