2018年5月23日(水)
北朝鮮 米朝首脳会談の再考を示唆
N. KOREA MAY RETHINK SUMMIT WITH U.S.
英語タイトルのrethinkは「再考する」、summitは「首脳会談」で、N. KOREA MAY RETHINK SUMMIT WITH U.S.は「北朝鮮はアメリカとの首脳会談を再考する可能性あり」という意味です。
6月に予定されている米朝首脳会談を前に、北朝鮮国営の朝鮮中央通信は、キム・ケグァン第1外務次官の談話を発表し、「一方的に核の放棄だけを強要しようとするならば米朝首脳会談に応じるかどうか再考せざるをえない」として、トランプ政権を強くけん制しました。
北朝鮮の外交交渉をめぐる駆け引きを英語で学習してみましょう。
We start with North Korea, where a diplomatic detente seems to be getting murkier. Pyongyang is calling a planned summit with the U.S. president into question. Its state-run news agency says if the Americans unilaterally demand the North abandon its nuclear weapons, the country has no choice but to rethink next month's historic meeting.
The agency was quoting First Vice Foreign Minister Kim Kye Gwan. Despite the threat, Kim says North Korea still intends to carry on with the diplomatic process if Donald Trump's administration shows a sincere commitment to improving relations.
Earlier, Pyongyang indefinitely suspended high-level talks with Seoul that were scheduled for Wednesday. Its state-run news agency blamed ongoing U.S.-South Korean air combat drills known as Max Thunder. It says the routine drills go against warming ties.
North Korea has criticized the joint military exercises in the past. But after meeting with Kim Jong Un in March, the South's national security advisor said Kim understood they must continue.
センテンスごとに学ぶ
We start with North Korea「私たちは北朝鮮(のニュース)から始めましょう」は、番組の最初にキャスターが述べた言葉です。話題を提示する1つの言い回しになっています。
where以下で、北朝鮮の状況を述べています。
detenteは、もともとはフランス語から来た「緊張緩和」という意味で、政治や外交などの分野でよく使われています。
murkyは「にごった、どんよりとした、暗い」などを意味する形容詞で、その比較級がmurkierです。この語は「見通しが立たない、はっきりしない」という場合に使います。
Pyongyangは北朝鮮の首都である「ピョンヤン、平壌」のことですが、ここではその国や政府のことを指して使っています。
call ... into questionは「~に疑問を投げかける、~を疑問視する、~に異議を唱える」という意味です。
ここでのsummitは「首脳会談」のことで、具体的には6月に予定されているアメリカのトランプ大統領と北朝鮮のキム・ジョンウン朝鮮労働党委員長の会談のことです。
state-runは「国営の」、news agencyは「通信社」で、state-run news agencyは「国営通信社」です。北朝鮮の場合、「朝鮮中央通信」のことです。
unilaterallyは「一方的に」です。
have no choice but to ...は「~する以外に選択肢はない、~せざるをえない」という意味です。
rethinkは「再考する」です。ここでは他動詞なので、rethink about ...ではなく、rethink ...と後ろにすぐに目的語が続いていることに注意しましょう。
quoteは「引用する、引き合いに出す」です。朝鮮中央通信がキム・ケグァン第1外務次官の談話を伝えたことを、このように表現しています。
キム・ケグァン第1外務次官は、長年アメリカとの交渉に携わってきた人物です。
the threatは「脅し、脅迫」です。具体的にはセンテンス3に出てきたように、北朝鮮が来月の米朝首脳会談を再考する可能性を示唆したことを指しています。
intend to ...は「~する意向がある、~する意思がある」です。
carry on with ...は「~を続ける、~を継続する」という表現です。
diplomatic processは「外交プロセス、外交交渉」です。
sincere commitmentは「誠実な約束」です。commitmentの後ろには、「~に対する」という意味でto ...ingの形が続いていることを覚えておきましょう。
indefinitely suspendは「無期限に延期する」、つまり「中止する」ということです。
Seoul「ソウル」は韓国の首都ですが、これもセンテンス2のPyongyangと同じ用法で、ここでは韓国や韓国政府のことを指しています。
北朝鮮は、共同宣言の履行について話し合うため5月16日(水曜日)に予定されていた南北の閣僚級会談を中止し、すべての責任は韓国側にあると主張しました。
冒頭のitsは「北朝鮮の」です。
blameは「非難する、責める」で、責任を問うというイメージです。
air combat drillは「空軍戦闘訓練」です。
known as ...は「~として知られる」という意味です。
ここでのroutineは「定期の、定例の」という意味で、routine drillは「定例訓練」です。
warming tiesは「温まりつつある関係、修復しつつある関係」です。
has criticized「非難してきた」と現在完了形になっているので、これまでずっと非難し続けていることが分かります。
national security advisorは「国家安全保障担当官」です。
ここでの助動詞mustは「仕方がない、やむをえない」というニュアンスを含みます。