2018年8月29日(水)
大統領に抗議の社説 米新聞が一斉掲載
NEWSPAPERS ACROSS U.S. SLAM TRUMP
英語タイトルのslamは「非難する、糾弾する」という意味で、NEWSPAPERS ACROSS U.S. SLAM TRUMPは「全米の新聞、トランプ大統領を批判」です。
自分に批判的なメディアを「フェイク・ニュース」=うそのニュースなどと攻撃するトランプ大統領に対し、アメリカ各地の新聞が一斉に抗議の社説を掲載しました。
今回のニュースを通して、攻撃・批判とその応酬を表現する英語の語彙を学びましょう。
Media outlets across the United States are fighting back as President Donald Trump continues his campaign to cast them as "fake news" and an "enemy of the American people."
More than 300 newspapers coordinated the release of editorials that characterize Trump's relentless attacks as a "sustained assault on the free press."
The Boston Globe led the charge by publishing a column titled "Journalists are not the enemy." The Globe editorial says their role is to speak truth to power and is vital to democracy.
Trump has consistently targeted news organizations that contradict his policies or question his words and actions. Trump responded to the editorials by tweeting "the fake media is the opposition party. It is very bad for our great country, but we are winning."
The newspaper editorials come just a day after Trump revoked the security clearance of a former CIA director who has been a frequent critic.
センテンスごとに学ぶ
media outletは「報道機関」です。具体的には、次のセンテンスにあるように300を超える新聞社を指しています。
cast A as Bは「AをBであると表現する」です。
themは、media outletsを指しています。
coordinateは「連携する、調整を図る」です。ここでは、社説の掲載のタイミングを揃えた、つまり社説を一斉に掲載したことを指しています。
characterize A as Bは「AをBと表現する」です。ここでのcharacterizeは、センテンス1のcastと同じ意味で使われています。
動詞のrelentは「和らぐ、弱まる、静まる」で、それに「~できない、~しがたい」という意味の接尾辞lessが付いたrelentlessは「容赦ない、執ような」です。です。動詞に接尾辞lessが付いた例としては、restless「落ち着かない」やtireless「疲れを知らない、飽きない」などがあります。
sustainedは「長期にわたる、長引く」です。sustained attackと言えば「持続的攻撃、続けざまの攻撃」という成句ですが、assaultはattackの類語です。assault on/against ...は「~に対する攻撃」です。
動詞leadは「先導する、先頭に立つ」で、lead-led(過去)-led(過去分詞)と不規則に変化します。
トランプ大統領に対する今回の一斉反撃は、ボストングローブ紙が全国の新聞社の編集委員会に呼びかけて実現しました。同紙の発表によりますと、リベラル派か保守派かを問わず、また規模の大小も問わず、同じ日の社説でトランプ大統領が突きつける脅威に対抗しようと呼びかけたそうです。
their roleのtheirは、journalists'を指しています。
ここでのpowerは「権力(者)」です。
is vital to democracyは、their roleを受けています。their role is vital to democracyです。
vital to ...は「~に不可欠」です。
本文のnews organizationsは、センテンス1のmedia outletsとだいたい同じ意味です。
名詞としては「標的、目標」などの意味を持つtargetですが、ここでは「標的にする」という動詞として使われています。
名詞としては「疑問、質問」の意味を持つquestionですが、ここでは「疑問を投げかける、疑問視する」という動詞として使われています。
opposition partyは「野党」です。これに対し「与党」なら、ruling partyと言います。
「ツイッター(Twitter)に投稿する、ツイッターでつぶやく」というときは、tweetが動詞として使えます。もともとtweet(またはtwitter)は鳥のチュッチュッという鳴き声からきた擬声語で、「(小鳥が)さえずる」という意味の動詞として使われてきました。
ここでのsecurity clearanceは「機密情報に接する権限・資格」です。
revokeは「取り消す、無効にする」という意味です。
ここでのcriticは「批判する人、反対者」です。criticは「評論家」の意味で使うこともありますが、その場合はliterary critic「文芸評論家」、film critic「映画評論家」、music critic「音楽評論家」のように活動分野を示す言葉が付いていることも多くあります。
frequent criticは「頻繁な批判者」、つまり「たびたび批判する人、常に批判的な人」です。frequentが「人」を修飾している例としてはほかに、frequent flier/flyer「頻繁に飛行機を利用する人」、frequent traveler「頻繁に旅行する人」、frequent guest「常連客」などがあります。
トランプ大統領は、ジョン・ブレナン元CIA長官に与えられている、機密情報に触れる権限を剥奪することを発表しました。アメリカの情報機関の高官は、退職後も専門的な知見に基づいて後任の相談に当たることができるよう、機密情報に触れる権限を保持し続けることが慣例となっています。