2018年11月1日(木)
カナダ 大麻を合法化
CANADA LEGALIZES RECREATIONAL MARIJUANA
英語タイトルのCANADA LEGALIZES RECREATIONAL MARIJUANAは「カナダ、しこう品としての大麻を合法化」です。
カナダ政府は、しこう品としての大麻の使用や栽培を合法化しました。狙いどおりの成果が上がるか、国民の健康への害を抑えられるかは今後を見守る必要があります。
「合法化する」「認可する」「許される」に相当する英語表現を習いつつ、大麻合法化の是非について考えましょう。
Canada has legalized possessing, smoking, and producing recreational marijuana. It became the second country to take the step after Uruguay.
Sales began Wednesday at the stroke of midnight. Cannabis goods are available only in production facilities and shops authorized by provincial governments. Depending on the province, buyers aged 18, or 19 or older, are allowed to possess up to 30 grams of dried weed.
The minister of Border Security and Organized Crime Reduction stressed the move was made to better keep marijuana out of the hands of youth and take profits away from criminals.
(Bill Blair / Canadian Minister of Border Security and Organized Crime Reduction)
"Up until today, the market for cannabis was entirely controlled by organized crime, in its production and in its distribution, and that has resulted in literally billions of dollars in profit going to illicit organized crime and putting our kids in jeopardy."
Cannabis legalization could be a double-edged sword. The government may enjoy more tax revenue from investment by weed growers, but serious health concerns remain.
センテンスごとに学ぶ
形容詞legalは「合法的な」です。これに「~にする、~化する」という意味を持つ接尾辞-izeが付いたlegalizeは「合法化する」です。
recreational marijuanaは「しこう品としての大麻」です。ほかにmedical marijuana(またはmedical cannabis)「医療目的の大麻」や、industrial hemp「産業用大麻」などがあります。
ウルグアイでは2013年に成立した法律に基づいて、去年から大麻の合法的販売が始まりました。
strokeは「(時計や鐘の)一打ち、(時計や鐘が)鳴ること」です。at the stroke of ...に時間を続けて「~時ぴったり(に)」を表せます。at the stroke of fiveと言えば「5時ぴったり(に)」です。on the stroke of ...とすることもあります。
midnightは「午前0時」です。日本語の「深夜」とは違いますので注意が必要です。「深夜」は、late at nightとか、in the dead of nightなどと表現します。
provincial governmentは、カナダでは「州政府」で、中国なら「省政府」となります。「州」は、センテンス4に出てくるprovinceとなります。中国なら「省」になります。例えば「オンタリオ州」ならthe Province of Ontario、「湖南省」ならthe Province of Hunanです。
authorizeは「正式に許可する、認可する」という意味です。
「州によって」のように「~によって」と言いたいときに、本文のdepending on ...は便利に使えます。depending on the season「季節によって」、depending on the context「文脈によって」、depending on where you live「住んでいる場所によって」のように応用できます。
「~歳の~」と言いたいときには、... aged に年齢を続けて表せます。例えば、children aged up to 14なら「14歳までの子どもたち」です。
be allowed to ...は「~することが許されている」です。
「大麻、マリファナ」を指す言葉は、cannabis、marijuana、weed、potなどいろいろとあります。weedとpotは口語的な言い方です。weedは「紙巻きたばこ」を指すこともあります。
ここでのstressは「強調する」という動詞です。
moveは何らかの目的達成に向けて起こす「行動」、進展や達成を意図した「動き」で、ここでは「大麻の合法化」を指します。make a moveは「手を打つ、措置を講じる」です。
keep ... out of the hands of Aは「~がAの手に入らないようにする」です。
youthは「若者」です。a youth of 17と言えば「17歳の若者」です。本文では18歳未満を指してyouthと言っていることが分かりますが、ときどき英語のyoungやyouthの訳語に困ることがあります。日本語では小学生や中学生について「若い」や「若者」という言葉をあまり使いませんが、英語のyoungやyouthはそのくらいの低年齢まで含めて使う場合があるからです。
ビル・ブレア国境安全・組織犯罪減少相の記者会見での言葉です。
result in ...は「結果として~になる、~に終わる」という意味です。
billionは「十億」です。billions of ...は「何十億もの~」です。
jeopardyは、もともとはチェスなどのゲームにおいて「五分五分の試合、難局」として使われていた言葉で、そこから「危険な状況、危険(性)」という意味で広く使われるようになりました。put ... in jeopardyは「~を危険にさらす」です。
double-edged swordは「もろ刃の剣」です。両側が刃ですから、切りたくない方も切ってしまうかもしれません。つまり「良い効果と悪い効果のどちらももたらしうる、一方では非常に有益だが他方では重大な害を与える危険もある」という意味です。具体的な内容は次のセンテンスで述べられています。
ここでのenjoyは「良いものがある」という意味で使われています。例えばenjoy good healthなら「良い健康を持っている」つまり「健康に恵まれている」です。また、The island enjoys a mild climate year-round.「その島は年間を通じて気候が穏やかです」のようにも使えます。
remainは「残る、残存する」です。
カナダでは、大麻を合法にすれば大麻草の栽培などへの投資が促されて税収が増えるという期待もある一方、健康に深刻な影響を及ぼすという懸念も根強くあります。