2019年5月14日(火)
天皇陛下 即位後初の宮中祭祀
EMPEROR PERFORMS FIRST RITUAL AT IMPERIAL PALACE
英語タイトルのEMPEROR PERFORMS FIRST RITUAL AT IMPERIAL PALACEは「天皇陛下が初の祭祀を皇居で執り行われる」です。
天皇陛下は5月8日、皇后となられた雅子さまとともに、皇居の「宮中三殿」で、即位の礼と大嘗祭の中心的な儀式の期日を皇室の祖先や神々に伝える「期日報告の儀」に臨まれました。
このニュースを通して、天皇の即位の儀式に関わる用語を英語でどのように表現できるのか学びましょう。
Japan's new Emperor has performed his first ritual since taking the throne last week. He reported the upcoming enthronement ceremonies to his ancestors and various deities.
Emperor Naruhito visited the three Imperial Palace sanctuaries wearing a robe only used by Emperors during special rituals. Chamberlains accompanied him, carrying a sacred sword and jewel that certify the Emperor's enthronement.
Emperor Naruhito read a statement to proclaim that a key enthronement ceremony will take place on October 22. He also reported that the Great Thanksgiving Ceremony will be held on November 14 and 15.
Empress Masako also visited the sanctuaries in a traditional kimono and hairdo. It was her first visit since December 2002.
センテンスごとに学ぶ
このニュースでのtake the throneは「皇位につく、即位する」です。
first A since Bは「B以降(以来)初のA」で、ここでは「即位後初の(宮中)祭祀」です。この表現は、センテンス7にも出てきます。
performは、このセンテンスのように儀式について使うときは「執り行う、行う」という意味です。
upcomingは「近く起こる、来る」という意味です。
enthronement ceremonyは「即位の儀式」です。
ここでのdeitiesは「神々」で、単数形はdeityです。
Emperor Naruhitoは、天皇陛下のことです。
ここでのvisitは「参拝」です。visit a shrineと言えば「神社に参拝する」です。
three Imperial Palace sanctuariesは「宮中三殿」を英訳したものです。the Imperial Palaceは「皇居」です。
robeには「式服、礼服」などの意味があります。ここでは、平安時代から儀式での天皇の装束とされる「黄櫨染御袍(こうろぜんのごほう)」のことを表しています。
ここでのchamberlainは「侍従」です。
carryingは動詞carry「持ち運ぶ」の現在分詞形で、本文は付帯状況を表す分詞構文になっています。accompaniedとcarryingが同時に行われていたことを示しています。
jewelには「宝石」などの意味がありますが、ここでは、三種の神器のひとつである「まが玉」を表しています。
certify the Emperor's enthronementは、天皇陛下の即位つまり皇位を証明するという意味です。三種の神器は、皇位のあかしとして歴代の天皇に伝わる宝物です。
statementには「声明書」などの意味があり、ここでは「御告文」のことを表しています。
ここでのtake placeは、儀式や行事などが「行われる」という熟語です。
10月22日に行われるa key enthronement ceremonyは、具体的には「即位の礼」の中心となる「即位礼正殿の儀」のことです。
Great Thanksgiving Ceremonyは「大嘗祭」の英訳です。
holdには行事などを「行う、催す」という意味があり、ここでは受身形のbe held「行われる」が用いられています。
「大嘗祭」は天皇陛下の即位に伴う一世に一度の伝統儀式で、その中心的な儀式「大嘗宮の儀」が11月14日から15日にかけて行われます。「大嘗祭」は、天皇が即位後初めて、新しく収穫された米などを天照大神と全ての神々に供えたうえで、自らも食べ、国と国民の安寧や五穀豊穣などを祈る儀式です。
Empress Masakoは、皇后さまのことです。the Emperorが「天皇」であるのに対し、the Empressは「皇后」です。どちらも通例は定冠詞とともに使用されますが、ここでは名前が続くため冠詞を伴いません。
the sanctuaries「その神聖な場所」は、「宮中三殿」を指しています。
hairdoは「髪型、ヘアスタイル」です。