2019年4月9日(火)
新元号は“令和”
JAPANESE GOVT. CHOOSES 'REIWA' AS NEW ERA NAME
英語タイトルのJAPANESE GOVT. CHOOSES 'REIWA' AS NEW ERA NAMEは「日本政府、『令和』を新元号に選ぶ」です。
政府は、平成に代わる新しい元号を「令和」とすることを決め、日本国民にとって今週最大のニュースとなりました。研究者によりますと、日本の元号は、「平成」までの247全てが中国の古典を典拠としているとされていますが、日本の古典からの引用は初めてだということです。
万葉集の一節がどのように英訳されているかにも注目して、関連の英語表現を学びましょう。
"Reiwa" is a name that will be on the lips of most Japanese today, and it will be for years to come. It's the name the Japanese government has selected for the new era, which is set to start when Crown Prince Naruhito becomes the new Emperor on May first.
The announcement was highly anticipated here because it will define the years ahead, as well as play a daily role in people's lives.
(Yoshihide Suga / Japanese Chief Cabinet Secretary)
"The new era name is Reiwa."
The chief cabinet secretary says the new name was taken from "Manyoshu," the oldest existing anthology of Japanese poetry.
It comes from a passage that can be translated as: "In early spring, the air is fresh and the wind is calm. The plum flowers are blooming like a beautiful woman applying white powder in front of the mirror, and the fragrance of flowers is like that of robes scented with incense."
The prime minister says the name represents the hope that every Japanese person will achieve their aspirations, just like a plum flower flourishing after a severe winter.
センテンスごとに学ぶ
be on the lips of someoneは「(誰かが)口にする、話題にする」という表現です。... is on everyone's lipsと言えば「みんなが~のことを話している」で、つまり多くの人が興味・関心を持ち話題にしているとなります。
it will beのあとには、on the lips of most Japaneseが省略されています。
to comeは「来たるべき」で、years to comeは直訳すると「来たるべき年月」ですが、ここではつまり「今後長い年月にわたって」という意味です。decades to come「今後何十年にもわたって」、centuries to come「今後何百年にもわたって」、weeks to come「今後何週間にもわたって」など応用できます。
この文では、the name for the new era「新時代の名称」を「新元号」と捉えています。
出だしの部分が分かりにくければ、the nameのあとにthatを補ってみてください。the name (that) the Japanese government has selectedは「日本政府が選んだ名称」です。
whichは、the new eraを指しています。the new era is set to start when ...です。
set to ...は「~することに決まっている、~することになっている」です。
highly anticipatedは「大いに期待されている」です。
センテンス1のyears to comeを、ここではyears aheadと言い換えています。
play a roleは「役割を担う」です。
dailyは「日々の」です。別の形容詞を代わりに入れて、play an important role「重要な役割を果たす」、play an active role「積極的な役割を担う」、play a supporting role「脇役を務める」など、さまざまに応用できます。
菅義偉官房長官が、臨時閣議で決定された新しい元号を発表した際の言葉を英訳したものです。
eraは一定の特徴によって区切られた時期、ある特色を持った歴史上の一時期で、例えばthe Edo eraなら「江戸時代」、the post-war eraなら「戦後」です。the Stone Age「石器時代」やthe Middle Ages「中世」などで使うageと比べると、多くの場合、eraのほうが短い期間を指します。また、age of low birthrates「少子化時代」、age of globalization「グローバリゼーションの時代」など、世の中の変化・変革に焦点を当てて用いることもあります。
「内閣官房長官」は、the chief cabinet secretaryと英訳されます。
existingは「現存する」です。将来的な変更・変化を話題にしている文脈では、「既存の」という意味でも使います。
poetryは「詩」です。詩文全般を指す言葉で、数えられない名詞です。これに対し、poemは詩の一つ一つの作品を指す言葉で、数えられる名詞です。この違いは、sceneryが数えられない名詞で「風景、景色」全般を指すのに対し、sceneが数えられる名詞で「一場面」を指すのと似ています。
「万葉集」は奈良時代にまとめられた日本最古の和歌集で、全20巻に日本各地のおよそ4,500首のうたが収められています。
新しい元号の「令和」の漢字2文字は、万葉集の第5巻の中に歌われている梅の花を歌った32首の序文に使われています。このセンテンスでは「初春の令月にして、気淑く風和らぎ、梅は鏡前の粉を披き」という部分を英訳しています。
ここでのcome fromは「由来する」です。出身を言うときにも、come fromを現在形で使って、She comes from a wealthy family.「彼女は裕福な家庭の出です」のように表せます。
「適用する、適応する」という意味でよく使われるapplyですが、ここでは「(塗り薬や化粧用のクリームを)塗る、塗布する」という意味です。
ここでのbloomは「咲く」です。
センテンス6に引き続き、「蘭は珮後(はいご)の香を薫らす」という部分の英訳です。
fragranceは「芳香」です。
scent A with Bは「AにBの香りをつける」です。ここでは動詞として使われているscentですが、名詞で「匂い」という意味もあります。scentは「ほのかな匂い、かすかな匂い」です。なお、「におい」を意味する最も一般的な言葉はsmellですが、こちらは形容詞を付けずにsmellだけで使うと「臭気」を意味します。
that of robesのthatは、the fragranceを指します。the fragrance of robesです。
ここでのrepresentは「表す、意味する」です。
achieveは、何らかの目標や基準や状態を、努力して「達成する、実現する」という意味の動詞です。achieve a targetと言えば「目標を達成する」です。
severeは「厳しい」です。本文のように気候についても使いますが、批判などについて使う事もできます。severe droughtなら「厳しい干ばつ」、severe criticismなら「厳しい批判」です。strictにも「厳しい」という訳語がありますが、こちらは規則やその運用が「厳しい、厳格な」です。
記者会見した安倍総理大臣は、「令和」には、人々が美しく心を寄せ合う中で文化が生まれ育つという意味が込められているなどと述べました。