2019年5月22日(水)
プラスチックごみ輸出入規制の波紋
U.S., JAPAN PLASTIC WASTE EXPORTS PLUNGE
英語タイトルのplungeは「急に落ち込む」という意味で、U.S., JAPAN PLASTIC WASTE EXPORTS PLUNGEは「日米からのプラスチックごみの輸出量が激減」です。
中国が環境汚染対策としてプラスチックごみの受け入れを禁止したことで、廃プラスチックの輸出大国であるアメリカと日本から中国に輸出した量は去年、ともに90%ほど減少しました。
今回のニュースで、環境問題の一面を英語で学びましょう。
Global exports of plastic waste are dropping significantly after China banned its imports last year for environmental reasons. In addition, international rules on dumping of the waste are only getting tougher, forcing producers to recycle more.
Exports of plastic waste from the U.S. fell 36 percent last year to almost 1.1 million tons. The U.S. is the world's biggest exporter of the material. Japan is the second largest exporter.
Both countries saw a roughly 90 percent drop in exports of the waste to China. But China's ban means Southeast Asian countries, like Thailand and Malaysia, are seeing a jump in imports.
On Friday, the Basel Convention on hazardous waste disposal agreed to set stricter rules on plastic. From 2021, the convention requires exporters to get official consent from recipient countries. The crackdown is expected to force the U.S. and Japan to handle more of the waste domestically.
センテンスごとに学ぶ
exportsは、通例は複数形で「輸出量」です。
wasteは「廃棄物、ごみ」で、plastic wasteは「プラスチックごみ」です。
significantlyは「かなり、相当に、著しく」という副詞です。
ここでのbanは「禁止する」という動詞です。
additionはadd「加える」の名詞形で、「追加」です。in additionは「加えて」という表現です。
ここでのdumpは「投棄する」という動詞です。
the waste「その廃棄物」は、プラスチックごみを指しています。
force A to do ...は「Aに~することを強いる」という表現です。
almostを数字の前に付けると、「ほとんど~、もう少しで~」という意味が加わります。
fell ... to almost 1.1 million tonsは「もう少しで110万トンになるまで減少した」という意味合いです。〜になるまで減少した(がそれ以下ではない)というニュアンスが出ることがあり、厳密に表すならfell ... to less than 1.1 million tonsとすることができます。
アメリカのリサイクル業者の業界団体によれば、中国政府が環境汚染を理由に2018年1月からプラスチックごみの輸入を原則禁止した結果、プラスチックごみの輸出量が世界で最も多いアメリカでは、2017年に167万トンあった輸出量が2018年には107万トンとなりました。
the material「その素材」とthe waste「その廃棄物」は、ともにプラスチックごみを指しています。
both countries「両国」は、日本とアメリカを指しています。
roughlyは「およそ、ざっと」という副詞です。
日米両国では、輸出量全体が減ったことで国内で抱えるプラスチックごみの量が増え、対応に苦慮する地域が相次いでいて、ごみ自体の量を減らすなど抜本的な対策が迫られることになりそうです。
ここでのbanは「禁止」という名詞です。センテンス1のように、動詞としての用法もあります。
ここでのjumpは「急増」という名詞です。
統計データから、中国への輸出量が減少する一方で、東南アジア向けの輸出量が急速に増えていることが明らかになっています。
the Basel Convention「バーゼル条約」は、特定の有害廃棄物の国境を越えた移動を規制する条約です。正式名は、the Basel Convention on the Control of Transboundary Movements of Hazardous Wastes and their Disposal「有害廃棄物の国境を越える移動及びその処分の規制に関するバーゼル条約」と言います。
disposalは「処分、処理」です。形容詞形は、disposable「使い捨ての」になります。
hazardousは「有害な」で、hazardous wasteは「有害廃棄物」です。
stricterは、形容詞strict「厳格な、厳しい」の比較級です。
スイスのジュネーブで「バーゼル条約」の締約国会議が開かれ、日本とノルウェーが共同で提案したプラスチックゴミをめぐる条約の改正案が、5月10日(金曜日)に採択されました。
the convention「その条約」は、バーゼル条約を指しています。
consentは「同意」、recipient countryは「受け入れ国」です。
環境省によると、バーゼル条約の改正のねらいは汚れたプラスチックゴミが国境を越えて売買されるのを規制することで、洗浄や分別などの処理が各国で徹底され、リサイクルが進むことだということです。
the crackdown「その取り締まり」は、前のセンテンスで述べている2021年からの(改正)バーゼル条約による要請を指しています。
ここでのhandleは、動詞で「処理する」です。
domesticallyは、形容詞domestic「国内の、自国の、家庭の」から派生した副詞で、「自国内で、国内的に、家庭内で、家庭的に」という意味です。
the waste「その廃棄物」は、プラスチックごみを指しています。