2019年9月11日(水)
中国への警戒視野にTICAD閉幕
LEADERS AGREE ON STRENGTHENING PARTNERSHIPS
英語タイトルのLEADERS AGREE ON STRENGTHENING PARTNERSHIPSは「首脳ら、協力強化で合意」です。
横浜市で開かれたTICAD=アフリカ開発会議には、安倍総理大臣とアフリカ50か国余りの首脳らが参加し、3日間の日程を終え、「横浜宣言」を採択して閉幕しました。TICADは、Tokyo International Conference on African Developmentの略です。
「横浜宣言」に盛り込まれている内容を伝える英語表現を学びましょう。
The final declaration touched on harnessing the power of private sector investments to boost economic and social growth in Africa. It also says it will step up training programs for young African engineers.
In the document, leaders also made a veiled reference to China's lending practices on the continent. It vows to strive towards a free, fair, and transparent investment environment. That's something critics say China's initiatives are lacking.
For the first time, the declaration mentions maritime security cooperation between Japan and Africa in the Indo-Pacific. China has been stepping up its maritime activities in the region.
The Yokohama Declaration also pledges to continue fighting infectious diseases by investing more in health initiatives.
センテンスごとに学ぶ
come to a closeは「終わる」という表現です。
representativeは「代表者」です・
TICADは、アフリカの開発をテーマとする国際会議です。日本政府が主導し、国連、国連開発計画(UNDP)、アフリカ連合委員会(AUC)、世界銀行と共同で開催しています。
touch on ...は「~に言及する、~の話に触れる」です。日本語でも、ある話題に「触れる」という言い方をしますが、英語のtouchも、物理的に何かに「触る、接触する」というほか、言葉で「言及する」というときにも使います。
private sectorは「民間部門、民間セクター」で、public sector「公共部門、公営セクター」と対比する言葉です。
ここでのboostは「押し上げる、促進する、後押しする」という動詞です。boostは名詞として使うこともできます。例えば、give someone a boostと言えば「(高い場所にあるものに手が届くように)人を手伝う」や「人を支援する」という意味です。
ここでの句動詞step upは「拡充する、増大させる」です。step up efforts to do ...「~することに一層努力する」、step up demands「要求を強める」、step up production「増産する」など、多様な目的語を取ります。
the documentは、今回のYokohama Declaration「横浜宣言」を指しています。
make (a) reference to ...は「~に言及する、~に触れる」で、センテンス2のtouch on ...と大体同じ意味です。
名詞veilは「覆い、ベール」です。veiled referenceは、直訳すれば「ベールで覆われた言及」で、つまり「えん曲的な言及」です。
ここでのpracticeは「慣行」です。
アフリカでは、中国の巨額の融資によって一部の国が過剰な債務を抱え、中国の意向を無視できなくなる「債務の罠」の問題が起きています。
vow to ...は「~することを誓う」です。
strive towards ...は「~に向けて努力する」です。
2文目の出だしのthatは、1文目のa free, fair, and transparent investment environmentを指しています。
critics sayは「批判的な人たちが言うには」という意味の挿入句です。もしセンテンス構造が分かりにくければ、このcritics sayをいったん外して、That's something (that) China's initiatives are lacking.としてみてください。
maritime securityは「海洋安全保障」です。
touch on、make reference to、そしてここでのmentionは大体同じ意味で、単調にならないよう動詞を変えています。
海洋進出を強める中国を念頭に、日本が提唱する「自由で開かれたインド太平洋」の重要性がTICADの首脳宣言として初めて明記されました。
pledge「誓う」は、センテンス5に出てきたvowの類語です。本文のようにto do ...を付けて使うこともありますし、that S(主語)+V(動詞)を付けたり、She pledged her cooperation.「彼女は協力を約束した」のように名詞を付けたりして使います。
infectiousは「伝染性の」、infectious diseaseは「伝染病」です。「病気」だけでなく「笑い」や「あくび」も人から人へと移る場合がありますが、それらもinfectious laughterや、infectious yawnのように表せます。
initiativeは、日本語でもカタカナで「イニシアチブ」として使われますが、ここでは「主導権」ではなく、「構想、戦略、事業」という意味です。