2018年11月28日(水)
米中対立でAPEC首脳宣言出せず
LEADERS UNABLE TO AGREE ON STATEMENT
英語タイトルのLEADERS UNABLE TO AGREE ON STATEMENTは「首脳たち、声明に合意できず」です。
パプアニューギニアで開かれていたAPEC=アジア太平洋経済協力会議の首脳会議は、貿易問題をめぐるアメリカと中国の対立から、首脳宣言をまとめられないまま閉幕しました。
このニュースを通して、「~をめぐるAとBの対立」を英語で表現できるようになりましょう。
The leaders of 21 Pacific Rim economies have ended their summit in Papua New Guinea without releasing a final communiqué. The Asia-Pacific Economic Cooperation forum failed to issue a statement for the first time because of disagreements between the United States and China over trade.
The chair of the summit, Prime Minister Peter O'Neill, said "the two big giants in the room" have different views on free trade, such as reforming the World Trade Organization. But he said earlier that the APEC members will continue their efforts to remove trade barriers.
When APEC ministers met last week, the release of a final document was delayed because of a disagreement over the wording on free trade. The failure to issue the communiqué on Sunday reflects the difficulty in taking a concerted position on bolstering multilateral free trade frameworks while the U.S. continues its protectionist policy.
センテンスごとに学ぶ
economyは、数えられない名詞としての用法と、数えられる名詞としての用法があります。本文のように可算名詞としては、1つの経済システムとして見た国や地域をan economy、それが複数あればeconomiesとします。不可算名詞としては「節約、倹約」という意味で使われます。
communiquéは、特にメディアに向けて発表される「公式の声明や報告」です。a joint communiqué なら「共同声明」です。
ここでのsummitは「首脳」です。もともとはhighestやtop「最高点(位)、頂点」を意味する言葉で、本文の「首脳会議」も「(山の)頂上」もsummitです。
Asia-Pacific Economic Cooperationは「アジア太平洋経済協力会議」で、APECという略称でよく使われます。1989年に発足し、現在は21の国と地域が加盟しています。事務局はシンガポールにあります。
ここでのfailは「~に失敗する、~できない、(本来はすべき~を)しない」という動詞です。
issueはセンテンス1のreleaseと、statementはセンテンス1のcommuniquéと同じ意味で使われています。
ここでのoverは「~をめぐって、~について」という意味の前置詞です。
1993年から始まったAPECの首脳会議は首脳宣言を毎回発表してきましたが、まとめられなかったのは今回が初めてです。
chairは、会議の「議長」や委員会などの「委員長」です。chairman、chairwomanという言い方もありますが、近年はchairなど男女区別のない言葉が好まれます。
reformは「(制度などを)改革する、(法律を)改正する、(堕落した人を)改心させる」などの意味で使います。ちなみに日本語で言う「(家を)リフォームする」なら、renovateなどを使って表せます。
removeは「撤廃する、除去する、どかす」です。
barrierは「障壁」で、trade barrierは「貿易の妨げとなるもの、貿易障壁」です。non-tariff barrierと言えば「非関税障壁」です。また、いわゆる「言葉の壁、言語の障壁」ならlinguistic barrierまたはlanguage barrier、「文化的な障壁」ならcultural barrierと言います。
metはmeetの過去形です。自動詞のmeetは、複数形の主語(本文ではministers)を取って「会合を開く」という意味でよく使われます。例えばWe meet once in every two months.と言えば「私たちは2か月に1度集まる(会合を開く)」です。
センテンス1で動詞として使われていたreleaseが、ここでは名詞で「発表、公表」として使われています。
delayは「遅らせる」です。日本語では「~が遅れる」のように自動詞的な使い方をしますが、英語ではbe delayedと言います。「飛行機が遅れた」と言うなら、Our flight delayed.ではなく、Our flight was delayed.です。
wordingは「言葉遣い、表現、言い回し」です。
センテンス2では、動詞failが使われていました。その名詞形failureは「できないこと、しないこと」です。
take a position on ...は「~についての見解を示す」という意味です。
形容詞concertedは「一致した、足並みをそろえた」です。名詞のconcertには「演奏会、コンサート」のほか「一致、調和、協力」などの意味があります。in concert with ...なら「~と力を合わせて、~と共同して」です。
multilateralは「多国間の」です。unilateralなら「1国による、一方的な」ですし、bilateralなら「2国間の、双方の」です。