2018年11月22日(木)
“こうのとり”のカプセル回収
JAPAN BRINGS SPACE CARGO BACK TO EARTH
英語タイトルのJAPAN BRINGS SPACE CARGO BACK TO EARTHは「日本が宇宙物資を地球へ持ち帰る」です。cargoは「貨物、積み荷」ですが、ここでは「物資」という意味で用いられています。
今回は、国際宇宙ステーションから地球に物資を持ち帰る日本初の回収カプセルについての話題です。カプセルは、大気圏突入時におよそ何度の高温に耐えたでしょうか。また、中には何を格納していたでしょうか。本文に出てくるspace exploration、crystallized protein、atmosphereなどの用語にも注目して、このニュースで英語を学びましょう。
Researchers in Japan are celebrating a new milestone in space exploration. They say a capsule of crystals from the International Space Station has splashed down in the Pacific Ocean and is the first time Japan has successfully sent cargo back from space.
Japan's space agency JAXA designed the capsule to withstand temperatures of up to 2,000 degrees Celsius. It left the space station on Thursday and reentered the atmosphere on Sunday morning. The agency sent a ship to retrieve it.
The capsule is bringing back crystallized proteins from the space station for medical research. Researchers will now study the condition of the proteins.
Until now, Japan has relied on U.S. or Russian capsules to send cargo back to Earth. Today's breakthrough could be an important step towards Japanese manned space exploration.
センテンスごとに学ぶ
celebrateは「祝う」です。
ここでのmilestoneは「節目」です。「道しるべ、一里塚」という意味もあります。
space explorationは「宇宙探査」です。
何を祝っていたかについては、次のセンテンスに出てきます。
the International Space Stationは「国際宇宙ステーション」のことで、頭文字をとってISSとも呼ばれています。
splashは「(水などが)はねる」ですが、splash downには「(宇宙船が)着水する」という意味があります。ここでは、カプセルが太平洋に着水した様子を表しています。
JAXAは「宇宙航空研究開発機構」のことで、Japan Aerospace Exploration Agencyの略です。
withstandは「耐える」という意味です。
Celsiusは「摂氏」です。ちなみに「華氏」なら、Fahrenheitです。
回収カプセルはおよそ2000度にもなる大気圏突入時の高温に耐えることができます。また、内側は大阪のメーカーの魔法瓶の技術を用いて断熱が施されていて、表面が高温になっても内部の温度は低く保てる設計になっています。
ここでのreenterは「再突入」です。
atmosphereは「大気圏」です。ちなみに「成層圏」なら、stratosphereと言います。
日本初の回収カプセルは無人の宇宙輸送船「こうのとり」7号機に搭載され、11月8日(木曜日)に高度400キロの軌道を回る国際宇宙ステーションを離れました。カプセルは11日朝、「こうのとり」から切り離されて大気圏に突入し、午前7時すぎ太平洋上に着水したあと、待機していた船に引き上げられました。
crystallized proteinは「結晶化させたたんぱく質」のことです。センテンス2には、crystal「結晶」が出てきました。
medical researchは「医療研究」です。
ここでのconditionは「状態」という意味です。
カプセル内には、宇宙ステーションでの実験で結晶化させた医療研究用のたんぱく質やセラミックスが入っていました。
rely on ...は「~に依存する、~を頼りにする」という意味です。
breakthroughは「(計画などの成功)」や「突破口」という意味です。この文脈では、科学技術の「飛躍的進歩」と訳すこともできます。
manned space explorationは「有人宇宙探査」です。
国際宇宙ステーションから地球に物資を持ち帰る回収カプセルの技術は現在、アメリカとロシアしか持っておらず、将来の有人探査にも応用できることから計画の成否が注目されていました。