2018年4月18日(水)
キング牧師暗殺から50年
REMEMBERING MARTIN LUTHER KING
英語タイトルのREMEMBERING MARTIN LUTHER KINGは「マーティン・ルーサー・キングを追悼する」です。
アメリカで人種差別の撤廃を訴え公民権運動を率いたキング牧師が暗殺されて50年となる4日、アメリカ各地で追悼式典が開かれました。
今回のニュースを通して、アメリカの人種問題に関連する語彙を増やしましょう。
People across the U.S. are remembering the civil rights leader Martin Luther King Jr. They held ceremonies and performances to mark the 50th anniversary of his assassination. Some gathered in the city of Memphis, where he died.
King was a Christian pastor and an icon of the fight against racism. He won the Nobel Peace Prize in 1964.
A bell was rung 39 times — once for each year of King's life.
People also gathered in Washington, D.C. Some speakers claimed social divisions have deepened since Donald Trump became president.
(Participant)
"From all indications, our current president doesn't seem to be in the fight. He's standing on the sidelines, or he is standing against the fight for racial equality."
センテンスごとに学ぶ
ここでのrememberは「追悼する」という意味です。
civil rightsは「公民権」で、本文のようにrightを複数形にして使います。civil rights movementは「公民権運動」です。
Jr.(Junior)は、同一家族・家系などで同姓名(主に父が自分と同じ名前を息子につけた場合)の年下のほうを指すのに用います。Jr.のほか、何通りかの略記があります。
ここでのperformanceは「公演、演奏」です。この日は米国各地で追悼の式典が開かれ、さまざまな演奏会などが実施されました。
markは「大事な出来事を祝う、記念する」です。a ceremony to mark the 10th anniversary of ...「~10周年を記念する式典」のように使います。日本語の「~周年」は、例えば「結婚20周年」や「創立30周年」のように主に祝うべき事柄について使う言葉ですが、英語のanniversary「記念日」にはそういう慶弔の含みはありません。
ここでのsomeは、some peopleのことです。
キング牧師は50年前の4月4日、テネシー州メンフィスのモーテル(Lorraine Motel)で暗殺されました。現在、公民権運動の博物館(National Civil Rights Museum)となっている暗殺現場では終日、音楽や語りなどの行事が行われました。
ある思想や生き方の象徴として人々が敬愛する人物を、iconと言います。ちなみに、コンピューターやスマートフォンの画面上の「アイコン」(クリックするとファイルが開いたりプログラムが起動したりする仕組みになっている図形)も同じ語です。
「~を受賞する」を表すときの代表的な動詞の1つが、2文目のwinです。
日本でもアメリカの公民権運動と聞いて多くの人が真っ先に思い浮かべるのは、キング牧師と、"I have a dream"の反復が印象的な牧師の演説の一節でしょう。
キング牧師は39歳の若さで亡くなりました。
a bell was rungは「鐘が鳴らされた」です。鐘を「鳴らす」という動詞ringは、ring-rang-rungと変化します。
このセンテンスは、「除夜の鐘」を英語で説明するときにも参考にできます。除夜の鐘は108回鳴らされますが、108というのは人間が持つ煩悩(earthly desire)の数だとする説に基づくなら、煩悩1つにつき1回の鐘なので、The bell is rung 108 times, symbolizing the casting away of 108 earthly desires.のように表せます。
D.C.は、District of Columbia「コロンビア特別区」の略です。ワシントン州と間違わないよう、アメリカの首都のワシントンのほうはよくWashington D.C.とします。なお文脈によっては、Washingtonが「アメリカ政府」を指すこともあります。
日本語では「苦情を言う」という意味で「クレームする」と言いますが、「苦情を言う」に相当する代表的な英語の動詞はcomplainです。英語のclaimは多くの場合「(聞き手が納得する証拠を示さないままに)主張する」という意味で使われます。
動詞divide「分断する」の名詞形が、division 「分断」です。会社組織の「事業部」も、divisionと言います。
ワシントンで開かれた集会の参加者の言葉です。
indicationは「何かを表すもの、表れ」です。a clear indicationと言えば「明確に示すもの」です。ここでのfrom all indicationsは、人種問題に関わるトランプ大統領のさまざまな言動が示す全てから判断すると、という意味です。
in the fightは、人種差別との闘いのことです。後ろにagainst racism、またはfor racial equality が省略されています。
文字どおりのsidelineは、テニスコートやサッカー競技場などで競技の場を示す白線です。そこから、on the sidelinesは「傍観して」です。from the sidelines「傍観者の立場で」などの比喩的な表現もあります。
stand against ...は「~に反対する立場を取る、~に対抗(敵対)する」です。