2018年5月14日(月)
豪 さんごの大量死は水温上昇が原因
CLIMATE CHANGE LINKED TO CORAL DIE-OFF
英語タイトルのCLIMATE CHANGE LINKED TO CORAL DIE-OFFは「気候変動がさんご大量死滅と関連」です。
オーストラリアのグレートバリアリーフで発生したさんごの大量死の原因を調べている研究者たちが、地球温暖化との関連を指摘しました。オーストラリア北東部の沖合に長さおよそ2300キロにわたって連なるグレートバリアリーフは世界最大のさんご礁帯として知られ、世界自然遺産にも登録されています。
今回のニュースを通して、環境問題に関連する語彙を学びましょう。
Scientists in Australia say global warming has contributed to a massive coral die-off in the country's Great Barrier Reef. They say an underwater heat wave in 2016 killed 30 percent of its corals — the worst-ever damage recorded in the reef.
The scientists found that the incident was in part due to the El Nino phenomenon, which causes water temperatures to rise around the equator in the East Pacific Ocean. But they also say the situation was made far worse by global warming.
(Terry Hughes / ARC Centre of Excellence for Coral Reef Studies)
"What our study shows is that climate change is a serious problem for the reef here and now. The mix of species has changed quite dramatically, surprisingly quickly in just the last two years."
The researchers say the survival of the Great Barrier Reef hinges on countries taking action to cut greenhouse gases.
センテンスごとに学ぶ
contribute to ...というと「~に貢献する、~に寄与する」という訳語が真っ先に思いつくかもしれませんが、toのあとには本文のように好ましくない事柄が続く場合もあります。
句動詞die offは「(生物の集団の中の個体が)次々と死んでいく」ことで、この句動詞からできた名詞die-offは「大量死滅、集団死」です。
underwaterは「水中の」という形容詞です。underwater cameraなら「水中カメラ」、underwater volcanoなら「海底火山」です。
everは、最上級(本文ではworst)を強調します。best everなら「これまでで最高」で、ハイフンでつなげばbest-ever「これまで最高の」という形容詞ができます。strongest ever「史上最強」や、strongest-ever「史上最強の」などと応用できます。
in partは「部分的に」、due to ...は「~のために(理由)」です。in part due to ...(またはdue in part to ...)は「部分的に~が原因、原因の一部は~」という意味です。
cause A to …は「Aに~させる」です。
equatorは「赤道」です。北極・南極から等距離にあるのが「赤道」で、語形もequal「等しい」と似ています。
直前に述べた「状況、事態、情勢、状態」に言及するときには、このthe situationというフレーズが便利です。
make something worseは「(何かを)悪化させる」です。本文では、受け身で使われています。
調査に携わったARCさんご礁研究センターのヒューズ氏の言葉です。
here and nowは「今この場で」という意味の慣用句です。the here and nowという名詞句もありますが、こちらは「今この場、現世、この時」という意味です。
the mix of ...は「~の混合(比)、~の配合(比)」で、the mix of speciesとは、このリーフの生物界を構成するさまざまな種の内訳のことです。
speciesは「種」です。生物の分類は、上位の区分から下位の区分に向けて、class(綱)−order(目)−family(科)−genus(属)−species(種)の順になっています。交配して子孫を残せる範囲がspecies(種)です。
ここまですでに2回出てきたscientistsに代えて、本文ではresearchersを使っています。
hinge on ...は「~にかかっている、~しだいである」という意味です。
take actionは「行動を取る、行動を起こす」という表現です。take decisive action「断固たる行動を取る」、take quick action「素早い行動を取る」など、形容詞を入れて応用することもできます。