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2018年5月30日(水)

ラジオ第2 2018年5月30日(水)の放送内容

是枝監督作品にカンヌ映画祭最高賞

JAPANESE FILM WINS PALME D'OR

2018年5月20日のニュース

英語タイトルのJAPANESE FILM WINS PALME D'ORは「日本映画がパルムドールを獲得」です。
世界3大映画祭の1つ、フランスのカンヌ映画祭で、是枝裕和監督の「万引き家族」が最優秀賞のパルムドールに選ばれました。
今回のニュースを通して、「賞を獲得する」という英語表現を学習しましょう。

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A Japanese director has won the top honor at the Cannes Film Festival. Hirokazu Koreeda took the prestigious Palme d'Or for his film "Shoplifters." He's the first Japanese director to win the award in 21 years.
Koreeda was one of two Japanese directors competing in the 71st installment of the festival. It wasn't the first time he'd come away with a trophy from Cannes. In 2013, he picked up the Jury Prize for his film "Like Father, Like Son."
"Shoplifters" is a story about family ties. It focuses on a Tokyo family living on pension benefits and shows them having to resort to shoplifting.
The director thanked his collaborators.

(Hirokazu Koreeda / Film director)
"Thanks to the cast and crew, this film encompasses more than the abilities I possess. I'm happy that those elements have been honored."

 

センテンスごとに学ぶ

センテンス 1
A Japanese director has won the top honor at the Cannes Film Festival. Hirokazu Koreeda took the prestigious Palme d'Or for his film "Shoplifters."cal
カンヌ映画祭で、日本人の監督が最高の栄誉を勝ち取りました。是枝裕和監督が、映画「万引き家族」で権威あるパルムドールを獲得しました。
解 説

winは、試合やゲームで「勝つ」というほかにも、awardやprize「賞」、honor「栄誉」、reputation「名声」、popularity「人気」などを目的語に「獲得する」という意味でも使います。
ここでのhonorは「栄誉」という名詞です。なお、イギリス英語ではhonourと綴ります。
パルムドール」はカンヌ映画祭で最優秀作品に与えられる賞です。賞のモチーフは、西洋で勝利・栄誉の象徴とされ、カンヌ市の紋章にもなっているナツメヤシです。是枝監督もヤシの葉をかたどったトロフィーを贈られました。
万引き家族」の英語タイトルが、"Shoplifters"です。shoplifterは「万引きする人、万引き犯」です。センテンス5には動詞shoplift「万引きする」も出てきます。

センテンス 2
He's the first Japanese director to win the award in 21 years.cal
是枝監督は、21年ぶりに同賞を受賞する日本人監督です。
解 説

the first ... to do in X yearsという表現が使われています。日本語ではこういうときに「X年間で初めて~する人や物、X年以来初めて~する人や物」という言い方をあまりしないのでこの英語表現が思いつきにくいのですが、例えば「高校生選手が決勝に残るのは2010年以来(8年ぶり)のことだ」は、She is the first high-school player to reach the final since 2010 (または in eight years).のように表せます。

センテンス 3
Koreeda was one of two Japanese directors competing in the 71st installment of the festival.cal
是枝監督は、この映画祭の第71回で競い合った2人の日本人監督のひとりです。
解 説

ここでのinstallmentは「~回目、第~回」という意味で使われています。
カンヌ映画祭の中心は、最高賞パルムドール以下、監督賞、男優賞、女優賞、審査員賞などを競う「コンペティション部門」です。第71回は、同部門に21作品がノミネートされました。もうひとりの日本人監督とは、「寝ても覚めても」の濱口竜介監督です。

センテンス 4
It wasn't the first time he'd come away with a trophy from Cannes. In 2013, he picked up the Jury Prize for his film "Like Father, Like Son."cal
是枝監督がカンヌでトロフィーを獲得したのは、今回が初めてではありません。監督は2013年に「そして父になる」で審査員賞を受賞しました。
解 説

he'dは、he hadの短縮形です。It was the first time (that)のあとに主語+動詞を付けて「Aが~するのは初めてのこと」とするときは、本文のように動詞を完了形にします。センテンスの主動詞が現在形なら、It is the first time he has come away with ...、過去形ならIt was the first time he had come away with ...となります。
come away with ...は「~を持って(ある場から)出てくる」という意味です。ここでは「カンヌ映画祭でトロフィーを獲得した」ことを表しています。
the Jury Prizeは「審査員賞」です。

センテンス 5
"Shoplifters" is a story about family ties. It focuses on a Tokyo family living on pension benefits and shows them having to resort to shoplifting.cal
万引き家族」は、家族の絆についての物語です。「万引き家族」は東京で年金暮らしをしている家族に焦点を当て、万引きに手を染めざるをえなくなっていく彼らを映し出します。
解 説

tieには「ネクタイ」という意味もありますが、人や国や組織の間の「関係、絆」という意味ではtiesと複数形にして使います。economic tiesなら「経済関係」、diplomatic tiesなら「外交関係」です。
live on ...は「~に依存して生きる」です。live on pensionだけでも「年金で暮らす」を表せます。
benefits(この意味では通常は複数形)は、高齢・病気・失業などのため働けない人に対し政府から支給されるお金のことです。be on unemployment benefitsと言えば「失業手当を受けている」です。
shows themのthemは、family「家族(の人びと)」を指しています。
動詞shopliftは「万引きする」です。liftという語には「盗む」という意味があり、She had her purse lifted.と言えば「彼女は財布を盗まれた」です。

センテンス 6
The director thanked his collaborators.cal
監督は共同制作者たちへの謝意を述べました。
解 説

collaboratorの元になっている動詞collaborate「共同する、協働する、協力して取り組む」は、ラテン語のcollaborareから来ています。colはtogether、laborareはto workの意味です。最近の教育では、collaborative learning「協同学習」の重要性が指摘されています。

センテンス 7
"Thanks to the cast and crew, this film encompasses more than the abilities I possess. I'm happy that those elements have been honored."cal
「出演者と制作班のおかげで、この映画には私が持っている能力以上のものが込められています。そうした要素が高く評価されたことを嬉しく思っています」
解 説

是枝監督の言葉を英訳したものです。
thanks to ...は「~のおかげで」です。
encompassは「(さまざまな要素、広範な領域を)含む、網羅する」という意味です。
センテンス1で使われていたhonorが、本文では「高く評価する、表彰する」という意味の動詞として出てきます。