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2018年10月3日(水)

ラジオ第2 2018年10月3日(水)の放送内容

英首相 “合意なきEU離脱も辞さず”

MAY: NO DEAL BETTER THAN BAD DEAL

2018年9月22日のニュース

英語タイトルのMAY: NO DEAL BETTER THAN BAD DEALは「メイ首相、『間違った合意をするよりは何も合意しないほうがまし』」です。英文ニュースの見出しにおいて、:(コロン)以下は話者の言葉の内容を示します。
英国のテリーザ・メイ首相は、自らが取りまとめたEU=ヨーロッパ連合からの「離脱白書」にEU諸国から厳しい意見が相次いだことについて、「説明もせず、代替案も示さないまま相手を拒絶することは許されない」と述べたうえで、合意なき離脱も辞さない姿勢を強調しました。
イギリスのEU離脱の見通しはどうなるのでしょうか。このニュースで最新の国際情勢を読み取ってみましょう。

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British Prime Minister Theresa May says Brexit negotiations with the EU have hit an impasse. She has hinted that her country may quit the bloc without a deal from other member nations.

(Theresa May / British Prime Minister)
"Anything which fails to respect the referendum, or which effectively divides our country in two, would be a bad deal. And I have always said no deal is better than a bad deal."

May was hoping to hammer out an agreement at an EU summit on Thursday. Instead, her Brexit blueprint came in for heavy criticism from other leaders. One issue that continues to divide the sides is what to do about the border between Ireland and Northern Ireland.
In a televised address, May said it's not acceptable for EU members to simply reject her ideas without proposing alternatives. She said it's time for the EU to show Britain some respect. May also rejected the possibility of a second Brexit referendum.
She said if necessary, Britain will be ready to leave the bloc without a deal.

センテンスごとに学ぶ

センテンス 1
British Prime Minister Theresa May says Brexit negotiations with the EU have hit an impasse.cal
英国のテリーザ・メイ首相によると、EUとの離脱交渉が行き詰まっているということです。
解 説

Britishは「英国の」という形容詞ですが、日本で「イギリス」と呼んでいる国の正式名称は、UK(the United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland)「連合王国」のことです。センテンス5に出てくるとおり、特に北アイルランドの存在はEUとの交渉で大きな争点になっています。
BrexitはBritain「英国」とexit「離脱」を合わせた造語で、EUからの離脱の是非を問う国民投票が行われた2016年前後から世界に広まり、現在では時事英語として定着しています。
impasseは「行き止まり、袋小路」で、hit an impasseは「(交渉などが)行き詰まる」という比喩的な表現です。

センテンス 2
She has hinted that her country may quit the bloc without a deal from other member nations.cal
メイ首相は、英国が他の加盟国から合意を取り付けずにEUを離れるかもしれないと示唆しています。
解 説

sheはメイ首相で、her countryは英国を指しています。
blocは国家間の「連合」という意味で、ここではEUを指しています。blocは国の連合にかぎらず、国会議員などの集団にも使われ、ruling blocなら「与党勢力」、opposition blocなら「野党勢力」です。
dealは、ビジネスにおいては「商談、契約」などの意味ですが、ここでは国家間の「合意」や「取り決め」という意味で用いられています。

センテンス 3
"Anything which fails to respect the referendum, or which effectively divides our country in two, would be a bad deal. And I have always said no deal is better than a bad deal."cal
国民投票を尊重しないものや、事実上我が国を二分するようなものは、どんな合意であってもそれは間違った合意なのです。ですから私はいつも、間違った合意をするくらいなら何も合意しないほうがましだと言ってきたのです」
解 説

メイ首相の声明の一節です。
anything「いかなるもの」は、ここでは「いかなる合意」という意味で用いられていて、which以下でその内容を説明しています。
fail to ...は「~しそこなう、~できない」で、「(EU離脱を決定した)国民投票を尊重できないような、いかなる合意も」という内容です。
後段のwhich以下は「事実上我が国を二分するような」という意味ですが、これもanythingにかかっています。
メイ首相は、こうしたいかなる合意もbad deal「間違った合意」だと述べています。badには「悪い、よくない」というほか、「害のある、不適切な、誤った」という意味もあります。
2文目の英語表現は、no deal「合意がないこと」のほうがbad deal「間違った合意」よりもbetter「より良い」ですから、こなれた日本語では訳文のように「間違った合意をするくらいなら何も合意しないほうがましだ」となります。

センテンス 4
May was hoping to hammer out an agreement at an EU summit on Thursday. Instead, her Brexit blueprint came in for heavy criticism from other leaders.cal
メイ首相は、木曜日のEU首脳会議で合意を打ち出すことに期待をかけていました。それどころか、メイ首相のEU離脱計画はほかの首脳たちから激しい批判を受けました。
解 説

hammer outは、文字どおりには「ハンマーで叩いて形作る」ですが、比喩的に「(議論を重ねて合意や結論を)打ち出す」という意味でもよく使われる表現です。
insteadは接続詞で、前述の内容に反する展開を導きます。「それどころか、それよりも、その代わりに」などと訳せます。
come in forは「(批判などを)受ける、浴びる」という表現で、come in for criticism「批判を受ける、非難を浴びる」という形でよく使われます。
メイ首相は、オーストリアで開かれたEUの首脳会議で自らが取りまとめた「離脱白書」への支持を訴えましたが、各国からは厳しい意見が相次ぎました。

センテンス 5
One issue that continues to divide the sides is what to do about the border between Ireland and Northern Ireland.cal
賛否を分け続けている問題のひとつは、アイルランド北アイルランドの国境をどうするのかということです。
解 説

issueは「問題点、争点」で、that以下がその内容を示しています。
ここでのsideは「立場」で、divide the sidesは「賛成や反対の立場に分け隔てる」という意味です。
地理的にアイルランド北アイルランドは同じ島にあり、英国領である北アイルランドをEUから離脱させつつ、EU加盟国であるアイルランドとの間で厳格な国境管理を行うことは難しいと考えられています。

センテンス 6
In a televised address, May said it's not acceptable for EU members to simply reject her ideas without proposing alternatives.cal
メイ首相はテレビ演説で、EU加盟国が代替案を提示せず、単に案を拒否することは受け入れられないと語りました。
解 説

televisedは「テレビ放映された」という形容詞で、addressは「演説」です。
it is ... for+人+to do ...は「人が~することは~である」という構文です。
ここでのalternativeは「代替案、代替物」という名詞ですが、形容詞として「代わりの」という用法もあります。この場合は、形容詞alternateも同じ意味になります。

センテンス 7
She said it's time for the EU to show Britain some respect.cal
メイ首相は、EUが英国に対して一定の敬意を示すときだと語りました。
解 説

it's time for ...は「~のときだ」という定型的な表現で、it’s time for lunch「昼食の時間だ」のように使われます。なお、time以下の時制が過去形になった場合は「もう~してもいい頃だ」というニュアンスを含みます。例えば、it's time you went to bedなら「もう君は寝る時間だ」です。
show Britain some respectは「イギリスに一定の敬意を示す」ですが、つまり「EU離脱を決めた国民の判断を尊重する」ということです。

センテンス 8
May also rejected the possibility of a second Brexit referendum.cal
メイ首相はまた、EU離脱を問う2度目の国民投票の可能性を否定しました。
解 説

a second Brexit referendum「EU離脱に関する2度目の国民投票」に不定冠詞のaが付いているのは、まだそのような国民投票が実施されていないからで、「~のようなもの」という意味合いが含まれています。

センテンス 9
She said if necessary, Britain will be ready to leave the bloc without a deal.cal
メイ首相は、もし必要があれば、イギリスは合意なしにEUを離脱することも辞さないということです。
解 説

if necessary「もし必要なら」は、文頭や文末によく見られる表現です。
ここでのbloc「連合」も、センテンス2と同様にEUを指しています。