2018年9月14日(金)
英仏“ホタテ戦争”
FRENCH, BRITISH BOATS CLASH OVER SCALLOPS
英語タイトルのscallopは「ホタテ」で、FRENCH, BRITISH BOATS CLASH OVER SCALLOPSは、「フランスとイギリスの漁船がホタテをめぐり衝突」です。
イギリスとフランスを隔てる海峡で、ホタテの漁をめぐって両国の漁船が衝突しました。ホタテ漁を行っていたイギリスの漁船をフランスの漁船が取り囲み、石を投げたり、船体をぶつけ合ったりしたということです。
ホタテという身近な食材に関し、世界でどのようなことが起こっているのか学び、食事の席で英会話の話題にしてみましょう。
And now to an international dispute dubbed the "Scallop Wars." French and British officials are in talks after fishermen clashed at sea over access to scallops.
Tensions flared between fishermen on Tuesday in waters between the two countries. Around 35 French boats reportedly rammed five British vessels, before rocks were thrown and insults were exchanged.
The dispute focuses on the fact that the French are restricted by law from scallop fishing between May and October in order to sustain stock. But British boats are legally permitted to fish year-round, and French fishermen are angry about that.
Tuesday's incident was the latest in a string of clashes in a dispute lasting over a decade. No one was injured, but several boats were damaged.
Fishermen from both sides have also pledged to sit down on land in order to work things out.
センテンスごとに学ぶ
冒頭のand now to ...は「さて次は~についてです」といった意味で、それまでに伝えていたのとは別のニュースに話題が移ることを表しています。
dubbed (as) ...は「~と呼ばれる」です。
scallopは「ホタテ、ホタテガイ」です。
in talksは「交渉中、話し合いの最中」です。
ここでのafterは「~の結果として、~により」で、因果関係を示すために用いられています。
access to scallopsは「ホタテを入手する方法、権利」、つまり「ホタテ漁(の権利)」です。
tensions flareは「緊迫状態が高まる、緊張が激しくなる」という意味です。
複数形のwatersは、特定の「海域」です。
boatは「小舟、ボート」で、vesselは大型の「船、ボート」です。ここでは漁師の乗っている船なので、どちらも「漁船」です。「漁船」を意味する単語として、fishing boatとfishing vesselがあります。
insults are exchangedは「罵り合う、罵り合いを行う」という意味です。
be restricted from ...ingは「~するのを禁止されている」です。restrictは一義的には「(一定の限度に)制限する、規制する」という訳語が適切ですが、ここでは「5月から10月は漁をしてはいけない状態」に制限されているという意味でrestrictが用いられています。
ここでのstockは「資源」です。
focus onには「重点を置く、焦点を当てる」などの意味があります。本文では、今回の争いの要因となったフランスの規制が説明されています。
be legally permittedは「法的に許されている、法律上許可されている」です。
ここでのyear-roundは「1年を通じて、1年中」という副詞です。
この海域はホタテの有数の漁場として知られ、フランスが資源保護の観点から繁殖期である夏の期間の漁を禁じている一方で、イギリス側は規制がなく年間を通して漁ができることになっていました。これまでイギリス側が一定の制限を設けるという協定を交わしてきましたが、ことしは双方が折り合わずイギリス側が漁を続けたことで、フランス側の不満が爆発して衝突に至ったということです。
latestは「最新の、最近の、直近の」です。
a string of ...は「一連の~」という表現です。
decadeは「10年間」で、over a decadeは「10年以上にわたり」です。
both sidesには「両側」という意味もありますが、ここではフランスとイギリスのことを指しているため、「両国」です。
sit downには「座席に着く、座る」という意味もありますが、ここでは座って「話し合う」です。
ここでのwork ... outは「~をうまく解決する」です。
外交問題にもなりかねなかったこの対立ですが、このニュースのあと、両国の漁業者が協議し、ホタテ繁殖期のイギリス漁船による漁を禁じる代わりに、フランス政府が補償を支払うことなどで合意に達したことが発表され、一応の決着を見ています。