2018年10月9日(火)
ノーベル医学・生理学賞に本庶教授
HONJO, ALLISON HONORED FOR CANCER RESEARCH
英語タイトルのHONJO, ALLISON HONORED FOR CANCER RESEARCHは「本庶氏、アリソン氏、がん研究で栄誉を与えられる」です。
今年も日本の科学者がノーベル賞を受賞しました。京都大学特別教授の本庶佑さんです。本庶さんがその突破口を開いたimmunotherapy「免疫療法」は、外科治療、放射線治療、化学療法に続く第4のがん治療法とされています。
今回のニュースを通して、免疫学の基礎的な英語の語彙を学びましょう。
A Japanese molecular immunologist is sharing this year's Nobel Prize in Physiology or Medicine. Tasuku Honjo and American James P. Allison are being honored for research that led to a revolutionary cancer therapy.
Honjo's research focuses on antibodies and immune responses. He discovered a protein that functions as a brake on the immune system. This is how the therapy works. When a pathogen, such as a virus, enters the human body, it's attacked by immune cells. But for some reason, they are unable to fight cancer cells. Honjo discovered why.
A protein called PD-1 acts as a brake on the immune system. The cancer cells use it to protect themselves. Honjo's discovery led to the idea of covering the switch, blocking the cancer cells from activating it. This was behind the development of the drug Opdivo, which has had impressive results.
Honjo is the 26th Nobel winner born in Japan.
センテンスごとに学ぶ
share a prizeは「賞を分け合う、共同受賞する」という表現です。
Nobel Prize in Physiology or Medicineは「ノーベル医学・生理学賞」です。ノーベル賞にはほかに、Physics「物理学」、Chemistry「化学」、Literature「文学」、Peace「平和」、Economics「経済学」があります。
ここでのhonorは「栄誉を授ける」という意味の動詞として使われています。honor A for ...は「~について(~を評価して)Aに栄誉を授ける」です。
revolutionaryは、revolution「革命」の形容詞形で、「革命的な、画期的な」です。
ledは、leadの過去形です。lead to ...は「~につながる」です。
focus on ...は「~に重点を置く、~に重点的に取り組む」です。
antibodyは「抗体」です。ウイルスなどが体内に入り込んだとき、それに反応して生成されるたんぱく質のことです。
immune responseは「免疫反応」です。
ここでのfunctionは「機能する」という動詞として使われています。function as ...は「~として機能する、~として働く」です。
brakeは、自動車のブレーキと同じ「ブレーキ」です。自動車の「ブレーキをかける」ならput on the brakes、またはapply the brakesのように言います。反対に「ブレーキを解除する」なら、release the brakeと言います。ちなみに「アクセル」ならgas pedal、またはacceleratorです。
thisは、直前で述べたことを指すときにも、本文のようにこれから述べようとすることを指すときにも使うことができます。
enterは「入る」です。物理的にどこかに入るという場合は、前置詞intoを使わず、動詞に直接続けてenter ...とします。
itは、pathogen「病原体」を指しています。
for some reasonは「何らかの理由で、どういうわけか」です。reasonが複数形になっていない点にご注意ください。この場合のsomeは、「いくつかの」ではなく「何らかの」という意味です。
theyは、immune cells「免疫細胞」を指しています。
センテンス3に出てきた動詞functionの言い換えとして、本文ではactを使っています。
2文目のitは、protein called PD-1を指しています。
本庶さんは、免疫をつかさどる細胞にある「PD-1」という新たな物質を発見し、その後、体の中で免疫が働くのを抑えるブレーキの役割を果たしていることを突き止めました。
the switchというのは、ブレーキのswitchのことです。
block A from ...ingは「Aが~するのを阻止する、妨げる」です。球技でいう「ブロックする」は、相手の選手またはボールを「妨げる」ことです。
文末のitは、the switchを指しています。
センテンス5の出だしにあるthisはその後述べることを指していましたが、本文の出だしのthisは直前で述べたことを指しています。
前置詞behindは「~の背後にある、~を裏で支えている」という意味です。
impressiveは「すばらしい、目覚ましい」といったニュアンスです。