2018年10月29日(月)
日本のヒト型ロボット 英議会で初演説
ROBOT DEBUTS IN U.K. PARLIAMENT
英語タイトルのROBOT DEBUTS IN U.K. PARLIAMENTは「ロボットが、英国議会にデビュー」です。debutは、日本語の中でも定着している「デビュー(する)」です。動詞としても使えますし、名詞としてmake one's debutという形でも使います。
日本の通信大手が手がけるヒト型ロボットが、英国議会の委員会に出席し、流ちょうな英語で演説しました。
人とAIロボットの共存について考えつつ、その関連語彙を学びましょう。
A Japanese-made humanoid robot spoke to a British Parliamentary committee. It is the first robot to do so in the parliament's long history.
(Pepper)
"Good morning, chair. Thank you for inviting me."
Pepper, developed by Japanese telecommunications firm Softbank, is currently based at Middlesex University. It's part of a joint Japan-EU research project on robotic technologies to support senior citizens.
Pepper gave a diplomatic answer when asked about the place of artificial intelligence.
(Labour MP)
"What is the role for humans in the fourth industrial revolution?"
(Pepper)
"Robots will have an important role to play. But we will always need the soft skills that are unique to humans."
The committee offered warm applause for the robot at the end of the session.
(Pepper)
"Thank you very much for an interesting discussion and for the opportunity to give evidence to the committee today."
センテンスごとに学ぶ
Japanese-madeは「日本製の」です。Japan-madeと言うこともできます。
humanoidの-oidは「~に似た」という意味を持つ接尾辞です。humanoid robotは「ヒトに似たロボット、ヒト型ロボット」で、単にhumanoidとも言います。
立法府の呼び名は、アメリカではCongress「議会」、日本ではDiet「国会」、イギリスではParliament「議会」です。日本の「国会」はthe Dietと言いますが、国際的にはあまり通りのいい言葉ではないので、海外メディアではJapan's parliamentや、the Japanese parliamentと伝えることがあります。
ペッパーの挨拶の言葉です。
ここでのchairは「議長、委員長」で、男性にも女性にも使える言葉です。普通はthe chairとしますが、本文では呼びかけなので冠詞のtheは不要です。「議長を務める」という意味の動詞としても使え、例えばWho's chairing the meeting?と言えば「誰が会議の議長を務めるのですか?」です。
be based at ...は「~に拠点を置く、~を拠点とする」です。本文では所在地が大学(Middlesex University)なのでatを使っていますが、都市名や国名を続けるならinを使います。例えば「東京を本拠地とする組織」なら、an organization based in Tokyoです。a Tokyo-based organizationで言い換えることもできます。
Middlesex Universityは、イギリスのロンドンにある大学です。
「~の一環」と言いたいときには本文のようにpart of ...を使い、例えばas part of an effort to ...「~する取り組みの一環として」のように表現できます。
a project on ...は「~に関するプロジェクト」です。
「高齢者」に相当する英語としては、old peopleより、ここに出てくるsenior citizensのほうが好まれます。
give an answerは「答える、返答をする」です。
diplomaticには「お世辞のうまい」や「社交辞令の」という意味もありますが、ここでのdiplomatic answerは「そつない受け答え」といった感じです。
when asked about ...の部分は、when it (=Pepper) was asked about ...で、it wasが省略されています。
ここでのplaceは、ある状況における誰かや何かの「位置づけ」です。
労働党の下院議員からペッパーへの質問です。「議員」はmember of parliament、略してMPと言います。
industrial revolutionは「産業革命」です。18世紀末以降の水力や蒸気機関による工場の機械化が第1次産業革命、20世紀初頭の大量生産が第2次産業革命、1970年代初頭からの電子工学や情報技術を用いたオートメーション化が第3次産業革命です。それに続くthe fourth industrial revolution「第4次産業革命」は、IoT(Internet of Things=モノのインターネット)、ビッグデータ、人工知能(AI)などを中核とする技術革新です。
ペッパーの回答です。
a role to playは「担う役割、果たす役割」という意味です。
soft skillsは、一般的に「他人とうまくコミュニケーションが取れる、チームで仕事を進めるなど、良好な対人関係を築き維持できる能力」と定義されます。
unique to ...は「~に特有の」です。
applauseは「拍手喝采」です。ちなみに「拍手喝采を送る」と言う場合、give A a round of applauseという表現もあります。applauseの動詞形は、applaud「拍手を送る、賞賛する」です。
ペッパーの挨拶の言葉です。
opportunity to ...は「~する機会」です。Thank you for the opportunity to ...「~する機会を与えてくださり、ありがとうございました」は、いろいろな場面で使えるフレーズです。
give evidenceは「証言する」という意味です。