2018年12月7日(金)
“部外者拒絶”の島 遺体回収は困難
RIGHTS GROUP WANTS SEARCH CALLED OFF
英語タイトルのcall offは「中止する」という句動詞で、RIGHTS GROUP WANTS SEARCH CALLED OFFは「人権団体、捜索中止を求める」です。
ベンガル湾に浮かぶ北センチネル島で先住民との接触を試みたアメリカ人男性が殺害され、長年にわたって部外者を強く拒絶してきたこの島に関心が集まっています。
今回のニュースでは、「~だと考えられている」「~したと考えられる」「~したとして知られている」に相当する、やや改まった英語表現を学びましょう。
Turning to India. A rights group wants police to call off a search for the body of a missionary believed to have been killed on a remote island.
The group says any attempt to recover the body is "incredibly dangerous" for both Indian officials and the island's tribespeople. It says outsiders could bring diseases that could wipe out the local population. What's more, the group says there's also a risk of violence.
The tribe on North Sentinel is considered the most isolated in the world. It has also been known to resist any contact with outsiders using violence.
It's believed John Allen Chau was killed over a week ago when he came ashore on North Sentinel in the Bay of Bengal. The American wanted to convert the tribe to Christianity.
センテンスごとに学ぶ
rights groupは「人権団体」です。human-rights groupとも言います。ここに出てくるa rights groupは、先住民や未接触部族の権利保護を専門とする団体です。
want A to ...は「Aに~してもらいたい」です。
call offは「中止する」という句動詞です。
「遺体」はdead bodyと言ってもいいのですが、本文のように文脈があれば単にbodyでも通じます。
センテンスの構造が分かりにくければ、 ... the body of a missionary who is believed to have been killed のようにwho isを補ってください。
believed to be killedではなくto have been killedとなっているのは、「いま~と考えられている(is believed)」のに対して、「殺された(killed)」のは過去のことなので、その時間差を表現するためです。
インド領のアンダマン・ニコバル諸島の1つ、北センチネル島で先住民との接触を試みたアメリカ人男性が弓矢で撃たれて殺害された件で、インドの警察は遺体の収容計画を練っていました。
recoverには「(病気・けがから)回復する」という意味もありますが、ここでは「(失ったもの、奪われたものを)取り戻す」という意味です。
incrediblyは「極めて、信じがたいほど、非常に」です。形容詞credible「信じられる」に否定の接頭辞 in-が付いたincredibleは「信じがたい」です。
tribespeopleは、特定の部族(tribe)の人々(people)です。
diseaseは「病気」です。illnessも「病気」という意味で使いますが、diseaseはどちらかというと感染する病気について用います。
wipe outは「全滅させる、消滅させる」です。
the populationは、1つの地域の全住民です。ここでのthe local populationは北センチネル島の全島民を指しています。
人権団体は、島の先住民は長年にわたって外部との接触を拒んできたことから、さまざまな感染症に対する免疫がないと訴えています。
what's moreは「そのうえ、さらに」という意味です。
島民は、2004年にインド洋大津波が発生したあと、インド軍が被害調査のため派遣したヘリコプターに矢を放って抵抗するなど、警戒心が極めて強く、攻撃性があるとされています。
considerは「みなす」です。consider A as/to be ...とすることもできますが、本文のようにasやto beを省くこともできます。ちなみに、regardやseeも「みなす」という意味で使えます。その場合はasを使って、the tribe is regarded/seen as the most isolatedのように表せます。
be known to ...は「~することが知られている、~するとして知られている」です。
「~だと考えられている」と言うとき、本文のようにit is believed (that)にS(主語)+V(動詞)を続ける方法と、Sを文頭に出してS is believed to ...とする方法(John Allen Chau is believed to have been killed)があります。
come ashoreは「上陸する、陸に上がる」という意味です。
the American「そのアメリカ人」は、John Allen Chauさんを指しています。
convertは「変換する、転換する」という意味でも使いますが、ここでは「改宗させる」です。convertは「改宗する」という自動詞としても使うことができます。例えばShe converted from Christianity to Buddhism.なら「彼女はキリスト教から仏教へ改宗した」です。