2019年1月15日(火)
ゴーン前会長 法廷で無罪を主張
GHOSN DEFENDS HIMSELF IN COURT
英語タイトルのcourtは「法廷、裁判所」で、GHOSN DEFENDS HIMSELF IN COURTは「ゴーン前会長、法廷で自らを弁護」です。
今回のニュースは、世界中の注目を集めている日産自動車のカルロス・ゴーン前会長と日本の司法との対決の1コマです。ゴーン前会長の勾留の理由を明らかにする手続きが東京地方裁判所で行われ、ゴーン前会長も出廷しました。
今回のニュースで「罪に問う」「起訴する」「勾留する」など、裁判までのプロセスに関連する英語を学びましょう。
Nissan Motor's former chairman has told a Tokyo court that all the allegations of financial wrongdoing against him are baseless. The hearing was Ghosn's first public appearance since he was detained nearly two months ago.
The judge explained that Ghosn is being detained because there's a risk that evidence could be destroyed, and that Ghosn could try to flee. Ghosn has been indicted for allegedly underreporting his income by tens of millions of dollars.
He is also suspected of aggravated breach of trust. Ghosn is accused of transferring about 15 million dollars from a Nissan subsidiary to a firm run by a Saudi businessman. Prosecutors believe that the man had previously helped Ghosn with personal investment losses.
During the hearing, Ghosn said the payment was legitimate compensation for services that included help with solving disputes. Ghosn also insisted he never caused any financial losses to Nissan.
センテンスごとに学ぶ
動詞allegeは証拠を提示せずに何かを事実だと主張することで、そうした主張をallegationと言います。
allegations of wrongdoingは「不正行為の嫌疑」、financial wrongdoingは「財政的不正行為、金銭にまつわる不正行為」です。all allegationsとあるので、金融取引法違反や特別背任容疑など捜査機関からかけられている全ての容疑を含みます。
wrongdoingは「悪事、不正行為」です。悪事・不正行為を働く人は、wrongdoerと言います。
baseには「根拠」という意味があり、「~がない」を意味する接尾辞-lessが付いたbaselessは「根拠のない、無根の」です。
議会での「公聴会」もhearingやpublic hearingと言いますが、ここでのhearingは裁判所の「意見聴取」です。
public appearanceは「公の場に姿を現すこと」です。
勾留は身柄を拘束する処分です。罪を犯したことが疑われ、かつ証拠を隠滅したり逃亡したりするおそれがあるなどの理由から身柄の拘束が必要と判断される場合に、検察官の請求に基づいて裁判官が勾留状を発付します。また勾留理由開示は、容疑者が勾留されている理由を明らかにするよう求めた場合、勾留を認めた裁判所が公開の法廷で理由を明らかにする手続きです。
there is a risk that ...は「~するおそれがある、~する危険(性)がある」です。
evidence could be destroyed、Ghosn could try to fleeとcouldを使っているのは、「もし勾留を取り消したら」と仮定しての可能性だからです。
indictは「起訴する」で、cは発音しません。indict someone for ...は「人を~の罪で起訴する」で、forのあとに罪状を入れます。
センテンス1には、allegation「嫌疑」という語が出てきました。ここでのallegedlyは「言われているところでは、申し立てによると」という意味で、事件を伝えるニュース英語で頻出する副詞です。
ten millionと言えば「1,000万」ですので、tens of millionsは「数千万」です。
reportは「報告する」で、これに「少ない」を意味する接頭辞under-が付いたunderreportは「過少申告する」です。underが付いた動詞はほかに、underestimate、undervalue、underrateなどがあります。いずれも「低く評価する、過小評価する」という意味です。
suspect someone of ...のあとに名詞または動名詞を置いて、「人に~の疑いを持つ」です。ここでは、受け身の文になっています。
breach of trustは「背任」で、aggravated breach of trustは「特別背任罪」です。法律用語のaggravatedは「さらに重大な」で、日本語では罪状に「加重」をつけることがあります。例えばaggravated escapeなら「加重逃走罪」で、拘束のための施設や機材を破壊したり、看守に暴力を振るったりして逃走した場合の逃走罪です。「特別背任罪」は、役員など権限のある者が、自己または第三者の利益のため、もしくは会社に損害を与えるため任に背いて会社に財産上の損害を与えた場合に適用されるもので、普通の「背任」より重く罰せられます。
accuse someone of ...は「(人を)~の罪で告発する、~で非難する」です。ofのあとには、犯罪や不正など非難されるべき行為が、名詞または動名詞(動詞+ing)の形で入ります。
help someone with ...は「人の~を手伝う、手助けする」です。Could you help me with my homework?と言えば「宿題を手伝っていただけますか?」です。
compensationには「補償、償い」という意味もありますが、本文のように、役務に対する「報酬、対価」という意味もあります。
legitimateには「合法の、適法の、(子が)嫡出の」という意味があります。ここでは「正当な、道理にかなっている、まともな、筋の通った、もっともな」です。
ここでのinsistは「強く主張する、言い張る」です。特に聞き手側が疑いを持っていたり納得していなかったりする状況で、ある事柄を真実だと言い張るときに使います。