2019年2月6日(水)
大谷翔平 大リーグ新人王授賞式に出席
OHTANI HAILED AS ROOKIE OF THE YEAR
英語タイトルのOHTANI HAILED AS ROOKIE OF THE YEARは「大谷、新人王に輝く」です。hail A as ...は「Aを~として称賛する、~とたたえる」という意味で、よくニュースの見出しに使われます。
大リーグで昨シーズンの新人王を獲得した二刀流の大谷翔平選手が、ニューヨークで開かれた授賞式に出席し、英語でスピーチしました。
今回のニュースを通して、「ありがとう」の気持ちを伝える英語表現を学びましょう。
Los Angeles Angels two-way player Shohei Ohtani has expressed his gratitude to his team after receiving the American League Rookie of the Year.
Ohtani attended the awards ceremony in New York, along with a number of top major league players and managers. Ohtani received a plaque and then delivered a speech in English to about 800 people in the audience.
(Shohei Ohtani / American League Rookie of the Year)
"First off, I want to say what an honor it is to share this stage with so many great players. I have some special thank-yous I would like to share. To the entire Angel organization for their warm welcome from day one and their unconditional support."
Then, he wrapped up by saying ...
(Shohei Ohtani / American League Rookie of the Year)
"To all the Angel fans, thank you. Hopefully, I will not need this cheat sheet the next time I'm up here. Thank you."
センテンスごとに学ぶ
日本では、投手であると同時に打者でもあることを「二刀流」と表現していますが、これを英語で表現したのが、two-way playerです。この表現は、野球だけでなく、バスケットボールやアイスホッケーなどの防御と攻撃の両方に優れている選手についても使います。
gratitudeは「感謝」で、express one's gratitude to ...は「~に対する感謝の気持ちを表明する」という意味です。
rookieは「(プロスポーツチームの)新人選手」です。recruitから転じてできた言葉だと考えられています。
賞を受けるというとき、通例はreceive the American League Rookie of the Year Awardのようにawardを入れますが、ここでは省略されています。
attend a ceremonyは「式に出席する、式典に参列する」です。学校に「通う」と言うときにも、このattendを使えます。
awards ceremony(またはaward ceremony)は「授賞式」です。
along with ...は「~と一緒に、~と共に」です。
numberに形容詞をつけて、例えばa large number of ...「多くの~」、a huge number of ...「膨大な数の~」、a small number of ...「少数の~」のように使うことがよくあります。本文のように形容詞を使わずにa number of ...とすると「若干の~」とも取れるのですが、多くの場合は「多くの~、多数の~」という意味です。
deliverには「配達する」という意味もありますが、ここでは「(大勢に向けて)述べる、講演する」という意味で使われています。deliver a speechは「演説する、スピーチをする」です。この意味のdeliverはほかに、deliver an address「演説する」、deliver a lecture「講義する、講演する」などがあります。
大谷選手のスピーチの一節です。
first offは「まず、初めに」という意味の口語的なフレーズです。
it is an honor to share this stage with so many great playersとすれば、「こんなにも多くの偉大な選手とこのステージを分かち合う(=このステージに共に立つ)のは名誉です」となります。これに感嘆の気持ちを込めて、what an honor it is to share this stage with so many great players「こんなにも多くの偉大な選手とこのステージを分かち合えるのは、なんと名誉なことか」と述べました。
引き続き、大谷選手のスピーチです。
thank youは感謝の気持ちを表す代表的なフレーズですが、1つの普通名詞として使うことがあり、本文のように2語をハイフンでつないでa thank-you(複数形はthank-yous)とすることができます。例えば、I want to extend a big thank-you to you all.と言えば「全ての皆さんに心よりお礼申し上げます」です。
To the entire Angel organization ...は、大谷選手を組織全体で支えてくれたエンジェルスに対する感謝の表明です。文としては完結していませんが、内容としては直前のセンテンスのthank-yous からつながります。ニュース映像では紹介されていませんが、このあとに大谷選手は何人かの名前を挙げて彼らに感謝の意を表していて、このことからthank-yousと複数形になっています。
day oneは「初日」で、文脈によってはDay Oneと頭を大文字で表記することもあります。
unconditional supportは「無条件の支援」です。
wrap upは「終わりにする、締めくくる、仕上げる」です。目的語を加えて、wrap ... up(またはwrap up ...)という形で使うこともあります。仕事・任務・交渉・会議などを「終わりにする」というときによく使う、ややくだけた表現です。何を終わりにするのかが状況から明らかであれば、それを特定せず、単にIt's late, so let's wrap it up.「もう遅いから終わりにしよう」のように使うこともあります。
大谷選手のスピーチの締めくくりです。
cheat sheetは、いわゆる「カンニングペーパー」です。「テストでカンニングする」は英語で、cheat on a testなどと言います。
ここでのup hereは「ステージ上」を指していて、next time I'm up hereは「次にこのステージに上がるとき」です。
大谷選手は、次にステージに上がるときはスピーチ原稿を見なくても英語でスピーチができるようになっていたい、とユーモアで締めくくりました。