2019年3月4日(月)
ロシアの町に多数のホッキョクグマ
POLAR BEARS FLOCK TO RUSSIAN TOWN
英語タイトルのflock to ...は「~に集まる、~に群がる」という意味で、POLAR BEARS FLOCK TO RUSSIAN TOWNは「ホッキョクグマがロシアの町に集まる」です。英語ニュースの見出しでは、過去の出来事でも現在形(ここではflock)で表すというルールがあります。
北極海に浮かぶロシアの島で多数のホッキョクグマが住宅地に現れ、地元政府が非常事態宣言を出して注意を呼びかけました。絶滅の危険性が大きいとされるホッキョクグマを容易に傷つけることはできず、住民は生活に支障をきたしているということです。
本文に出てくるdescend、melting iceなどの英語表現に注目して、このニュースを英語で学びましょう。
Dozens of polar bears have been descending on a town on a remote archipelago in Russia. The regional government has declared a state of emergency.
Russian state-run TV broadcast this video of a polar bear walking along the corridor of an apartment building.
Officials in the Arkhangelsk region say more than 50 of the animals have appeared in Belushya Guba in recent months. They say as many as 10 have been spotted at one time. Officials are patrolling the town to give warnings to about 3,000 residents and are setting up fences.
Experts say the polar bears are moving to other areas because of melting ice caused by global warming.
センテンスごとに学ぶ
dozens of ...は「数十の~」という意味です。
descendは、多くの場合「降りる」や「南下する」という意味ですが、このニュースのように「(野生動物などが人里に)降りてくる、押しかける」として用いられることがあります。
archipelago は「列島」です。
regional governmentのregionalは「地方の」という意味ですが、ここでは「地元政府」、つまり後述の州政府を指しています。
declare a state of emergencyは「非常事態を宣言する」です。
ニュースの映像について述べているので、this video「この映像」となっています。
state-run TVは「国営テレビ」です。
broadcastは「放送する」で、原形、過去形、過去分詞形で変化しません。この文では過去形で使われています。
walk along ...は道や川など細長いものに「沿って歩く」という意味で、映像ではホッキョクグマがcorridor「廊下」を歩いています。
Arkhangelskはロシア北部にある州、Belushya Gubaは北極海に浮かぶ島の沿岸の町です。
the animalsは、先に出てきたホッキョクグマを指しています。
appearは「現れる」という意味です。
in recent monthsは「ここ数か月」です。ベルーシャグバでは去年12月から多数のホッキョクグマが住宅地に出没しているということです。
theyは、センテンス3に出てきたofficials in the Arkhangelsk regionを指しています。
ここでのas many as は「~もの数の」という意味で、数の多さを強調するのに用いられます。
ここでのspotは「気づく、見分ける」で、本文ではbe spotted「目撃された」という用法になっています。
at one timeは「一度に、いっぺんに」です。
give warningは「警告する」という意味です。
residentは「住民」です。
ここでのset upは「設置する」です。
州政府は9日に非常事態宣言を出したほか、幼稚園などの周りにフェンスを設置するなどして注意を呼びかけています。
expertは「専門家」です。
melting iceは「氷がとけること、融氷」、global warmingは「地球温暖化」です。
北極圏では、温暖化によってホッキョクグマの生息地である海氷がとけ、エサのアザラシがとれなくなったことで、ホッキョクグマが人間の居住地域に近づくようになっていると言われています。