2019年3月20日(水)
アメリカ 名門大学で不正入学
COLLEGE ADMISSIONS SCAM ROCKS U.S.
英語タイトルCOLLEGE ADMISSIONS SCAM ROCKS U.S.は「大学入学をめぐる不正、アメリカを揺さぶる」です。動詞rockは「動揺させる、揺さぶる」という意味で、rocking chair「ロッキングチェア、揺り椅子」のrockです。
名門大学に子どもを入学さようとする親と、試験監督や大学のスポーツチームのコーチとの間で金銭の授受があったとして、親や大学関係者ら50人が贈収賄の疑いで逮捕されました。アメリカメディアは過去最大のスキャンダルと報じています。
今回のニュースを通して、「不正事件」「不祥事」や「告発する」に相当する英語表現と使い方を学びましょう。
A college admissions bribery scheme is sending shockwaves across the U.S. Celebrities and CEOs are among dozens of wealthy parents charged in the scam. They're accused of trying to fast-track their children into the country's top universities.
U.S. authorities are calling the case the largest college admissions scam ever in the country. They say the parents paid a total of about 25 million dollars for guaranteed admissions.
(Joseph Bonavolonta / FBI Special Agent)
"This is a case where they flaunted their wealth, sparing no expense to cheat the system so they could set their children up for success with the best education money could buy, literally."
The universities named in the scandal are some of the most elite, including Stanford, Yale, Georgetown, and UCLA.
Among the parents charged are sitcom Full House actress Lori Loughlin, and Desperate Housewives star Felicity Huffman.
They allegedly paid a man who runs a college-prep business to secure their children's admissions.
センテンスごとに学ぶ
college admissionsは「大学入学選考」です。admissions officeなら「大学入学者選抜事務局、入学事務局」です。日本にも「AO入試」と呼ばれる入試方式のある大学がありますが、AOはadmissions officeの略です。
ここでのschemeは「たくらみ、計略」です。否定的なニュアンスのない「計画、構想」という意味でも使われます
shockwavesは「衝撃波」ですが、send shockwaves across (またはthrough) ...として比喩的に使われます。「~に衝撃を与える、~に衝撃を広げる」という意味です。
日本では「お金があって優雅な暮らしをしている人」を「セレブ」と言いますが、その語源とされる英語のcelebrityは「有名人」(a famous person、a star)という意味です。
dozens of ...は「何十(人)もの~」です。
CEOは、chief executive officer「最高経営責任者」の略です。ほかに、chief operating officer (COO)「最高執行責任者」、chief financial officer (CFO)「最高財務責任者」などの役職があります。
ここでのchargeは「告発する」という動詞です。
センテンス構造が分かりにくければ、... among dozens of wealthy parents [who have been] charged in the scamと言葉を補ってみてください。
accuse A of ...は「Aを~の罪で告発する、~で非難する」です。ofのあとには、犯罪や不正など非難されるべき行為が、名詞または動名詞(動詞+ing)の形で入ります。
動詞fast-trackは「出世コースにのせる、最速ルートにのせる」という意味です。名詞で使うこともよくあります。名詞のfast trackは「出世街道、(何かを達成するための)最速ルート」です。be on the fast trackと言えば「出世コースにのって」です。
ここでのcallは「(人や物事を)~とみなす、思う、評価する」という意味で使われています。
everは、ここでは最上級(本文ではlargest)の強調のために使われています。最上級とeverをハイフンでつないで1つの形容詞を作ることもできます。best-ever「これまで最高の」、strongest-ever「史上最強の」、lowest-ever「過去最低の」などがその例です。
動詞のguaranteeは「保証する」で、guaranteed admissionは「保証された入学」です。
FBIの特別捜査官の言葉です。
flauntは「これみよがしに見せびらかす」です。
spareは「出し惜しみする」という意味の動詞ですが、これを使った代表的な表現が、spare no expense「カネに糸目をつけない」です。spare no effort「努力を惜しまない」という表現もあります。
set A up for ...は「Aを~に向けて仕立てる、身を立たせる」、set A up as ...は「Aを~に仕立てる、仕立て上げる」です。
最後にliterally「文字どおりに」と言っています。これは、the best ... (that) money can buy「お金で買える最良の~」という慣用的な言い回しがあるからです。普通は「最高の」という強意表現なのですが、容疑者たちは実際に金銭を払って最高の教育を買ったので、literallyだというわけです。
ここでのnameは「名指しする」という動詞です。この部分が分かりにくければ、the universities [that have been] namedと言葉を補ってみてください。
本文では、センテンス2とセンテンス4で使ったscamを、scandalで言い換えています。日本語になっている「スキャンダル」は主に男女関係での不品行の噂話を連想させますが、英語のscandalはそれだけでなく、道徳的、法的、社会的に受け入れられない行動や出来事全般について使います。
situation comedy「日常生活を場面(situation)とするcomedy」を短くしたのが、sitcomです。soap operaと呼ばれるジャンルもありますが、こちらは「昼メロ、連続ホームドラマ」です。この手の番組は1950年代、60年代に始まりましたが、当初は石けん(soap)のメーカーがスポンサーだったことからこう呼ばれています。
Full House「フルハウス」は1987年から1995年に、Desperate Housewives(日本語タイトル「デスパレートな妻たち」)は2004年から2012年に放送された番組です。
allegedlyは、事件を伝えるニュース英語で頻出する副詞で、「言われているところでは、申し立てによると」です。
自動詞としては「走る」などの意味で使われるrunですが、他動詞としては「経営する、運営する」という意味があります。
businessは、日本語でいう「ビジネス」という意味でも使いますが、その場合は数えられない名詞です。ここでのbusinessは「企業、事業」で、数えられる名詞です。複数形は、businessesです。