2019年4月26日(金)
世界初 ブラックホールの撮影に成功
SCIENTISTS UNVEIL FIRST PICTURE OF BLACK HOLE
英語タイトルのSCIENTISTS UNVEIL FIRST PICTURE OF BLACK HOLEは「科学者、ブラックホールの初めての画像を公開」です。
極めて強い重力で光をも吸い込む天体・ブラックホールの輪郭を、日本などの国際研究グループが世界で初めて捉えることに成功したと発表し、画像を公開しました。
今回のニュースでは、文字どおりの「天文学的な数字」に慣れましょう。宇宙の大きさに思いをはせつつ…。
An international group of scientists, including those from Japan, says it has successfully captured the first-ever image of a black hole.
The black hole is at the center of a galaxy known as M87, some 55 million light years away from Earth. It has a mass about 6.5 billion times that of the sun.
The group of scientists used an array of eight radio telescopes in six locations around the globe to create a virtual Earth-sized telescope. They converted the resulting data into an image to get the first photograph of the dark edge of a black hole.
(Mareki Honma / Professor, National Astronomical Observatory of Japan)
"For the first time since Einstein published his theory of relativity 100 years ago, there is visual proof of the existence of black holes. This picture is crucially important."
Observers say the latest revelation is expected to contribute to solving some of the mysteries of black holes and offer clues to the birth of the galaxy and the universe.
センテンスごとに学ぶ
thoseは、scientistsを指しています。
ここでのcaptureは「捉える」という意味です。
first-everは「史上初の」です。everは最上級を強調する語で、best-ever「これまでで最高の」、worst-ever「史上最悪の」、largest-ever「史上最大の」、strongest-ever「史上最強の」などのように応用できます。
ここでのsomeは「約、およそ」という意味です。
light yearは「光年」(光が1年間に進む距離=約9兆4,600億キロメートル)です。比喩的に「はるかに」という意味で使うこともあり、They are light years ahead of us.なら「彼らは私たちよりはるかに先を行っている」です。
that of のthatは、the massを指しています。the mass of the sun「太陽の質量」です。
「XのY倍」と言うときの表現を覚えましょう。例えば「~の4倍の大きさ」というときは、four times as large as ...とすることもできますが、asを使わずにfour times the size of ...とする手もあります。同じように、three times the number of ...「~の3倍の数」、twice the length of ...「~の2倍の長さ」などと言えます。
ここでのan array of ...は「~のつなぎ合わせ、~の配列」です。an array of ... は「多くの~」のという意味で使うこともよくあり、例えばan array of servicesなら「各種サービス」、an array of activitiesなら「さまざまな活動」です。
今回、撮影に成功した「M87」銀河の中心にある「ブラックホールの影」は、地球からの見た目の大きさが、月面に置いたテニスボールと同じくらいしかありません。これを見分けるため、国際研究グループは、世界6か所の電波望遠鏡をつなぐことで地球サイズの望遠鏡を構築し、人間の目のおよそ300万倍に相当する視力を実現し、撮影を成功させました。
convert A into Bは「AをBに変換する」です。convertは自動詞としても(つまり目的語なしで)使うことができます。例えば、This sofa converts into a bed.なら「このソファはベッドにもなる」です。
resultingは「結果として生じた、結果として得られた」という意味です。
photographは「写真」ですが、ここではimage「画像」の言い換えで、集めた電波を解析して写真化(画像化)したことを説明しています。
研究者グループは、得られたデータをもとに画像化した結果、世界で初めて「ブラックホールの影」と呼ばれる黒い輪郭を捉えることに成功したとして画像を公開しました。
日本チームのリーダー、国立天文台の本間希樹教授の言葉を英訳したものです。
theory of relativityは「相対性理論」のことです。
ここでのvisualは「目に見える、視覚的な」という形容詞です。名詞として使うこともあり、その場合のvisualは、記事や発表、プレゼンテーションを分かりやすく興味深いものにするために使用する図や写真や映像などのことです。
crucially importantは「極めて重要な、決定的に重要な」です。よく使う、副詞+形容詞の組み合わせですので、ひとまとめに覚えておくといいでしょう。
ブラックホールは、アインシュタインが1915年に発表した一般相対性理論に基づいて予言され、その存在は間接的には分かっていたものの、強い重力で光をも飲み込んでしまうため、その姿はこれまで捉えられていませんでした。
revelationは、動詞reveal「(隠されていたもの、知られていなかった事実を)見せる、明らかにする」の名詞形です。今回の画像化の成功で今まで見えなかったものが見えたことを、revelationと表現しています。
be expected to ...は「~すると期待されている、~する予定になっている」です。
contribute to ...は「~に貢献する」です。...には動詞か動名詞(名詞+ing)が入ります。
clueは「解明の糸口、手がかり」です。