2019年5月20日(月)
クモの糸に学んだ新繊維を開発
JAPANESE STARTUP SYNTHESIZES SPIDER SILK
英語タイトルのJAPANESE STARTUP SYNTHESIZES SPIDER SILKは「日本の新興企業がクモの糸を合成」です。
山形県のベンチャー企業が、軽いうえに強く、衝撃も吸収するクモの糸を参考にした新繊維の開発に成功し、ことし中の製品化を目指しています。
今回のニュースで、環境にも優しい新素材について英語で学びましょう。
A Japanese startup says it has produced a fiber that's light and strong just like spider silk. The company hopes to begin selling clothing made from the environmentally-friendly new fiber this year.
Spiders' webs are light, flexible, and can absorb shock. They are described as having 340 times the strength of steel for the same weight. The new fiber was created with these properties in mind.
The startup took part in a government program to develop new materials and analyzed genes that govern the production of various kinds of spider silk. Researchers synthesized proteins to create fibers that resemble spider silk. They came up with a prototype of outdoor clothing using the new technology.
They say the fibers could find use in a broad range of applications, such as automobile bodies and synthetic hair. They also say the new fiber is eco-friendly because it doesn't require any fossil fuels.
センテンスごとに学ぶ
startupは「新興企業、ベンチャー企業」のことです。start-upと綴ることもあります。
fiberは「繊維」、spider silkは「クモの糸」です。
この繊維を開発したのは、山形県鶴岡市にあるベンチャー企業「Spiber」です。
clothingは、集合的に「衣類、衣料品」で、靴や帽子なども含むことがあります。
make A from ...は「Aを~(原料)から作る」で、ここでは受身形になっています。clothing (that is) made from the environmentally-friendly new fiber this yearと補うと分かりやすくなります。
environmentallyは「環境的に」、-friendlyは「~に優しい、~と調和した」という意味で、environmentally-friendly ...は「環境に優しい~」という形容詞です。
spider webは「クモの巣」です。
flexibleは「柔軟な」という形容詞です。名詞形は、flexibility「柔軟性」です。
absorbは「吸収する」という動詞です。名詞形は、absorption「吸収(作用)」です。
冒頭のtheyは、前のセンテンスに登場したspiders' webs「クモの巣」、つまりクモの巣を作るクモの糸を指しています。
数字+timesで「~(数字)倍」を表せます。
for the same weightは「同じ重さ当たりで」という意味です。
クモの糸の強じん性は、仮に直径1センチの太さのクモの糸で巣を作ると、飛んでいるジャンボジェット機さえ壊さずにとらえられるとも言われています。
ここでのpropertyは「性質、特性」という意味です。ほかにも、「所有物、財産、地所」などという意味で使われることもあります。
in mindは「念頭に置いて、考慮して」という表現です。
クモが体をぶら下げるためにはき出す「けん引糸」と呼ばれる糸などは、軽くて伸び縮みし、衝撃を吸収するうえ、強じん性に優れていることから、この会社はクモの糸を参考に技術開発を行いました。
take part in ...は「~に参加する」という表現です。
analyzeは「分析する」です。イギリス英語では、analyseと綴ります。名詞形は、analysis「分析」(複数形はanalyses)です。
geneは「遺伝子」、governは「制御する」です。
synthesizeは「合成する」という動詞です。名詞形は、synthesis「合成」です。
proteinは「タンパク質」、resembleは「似ている」です。
come up with ...は、考えなどを「思いつく」という句動詞です。
prototypeは、製品として市場に出す前の「試作品、原型」のことです。
theyは、研究者たちを指しています。
rangeは「範囲」で、in a broad range of ...は「幅広い範囲の~」という表現です。
applicationは「応用、適応」です。動詞は、apply「応用する、適用する、申し込む」です。
automobile bodyは「(自動車の)車体」、synthetic hairは「(合成した)人工毛髪」です。
eco-は、ecology「生態学」に関連する語を作る接頭辞で、eco-friendlyは「環境に優しい」という形容詞です。すでに登場したenvironmentally-friendlyを言い換えたものです。
fossil fuelは、石油や石炭などの「化石燃料」です。
ベンチャー企業「Spiber」の代表執行役は、「強じん性はまだ天然のものには及ばないが、伸び縮みし、軽さと強さを合わせ持った糸にたどりついた。原料に石油など化石燃料も使わないので、循環型社会に貢献できる」と話しています。