2019年5月24日(金)
クールビズ商戦 本格化
JAPANESE STORES PROMOTE COOL BIZ CLOTHES
英語タイトルのJAPANESE STORES PROMOTE COOL BIZ CLOTHESは「日本の小売店、クールビズ衣料を販売促進」です。bizはbusinessの略語です。Cool Bizは、職場の室温に合わせて柔軟な服装で過ごすことで冷房の節約をしようというキャンペーンとして始まりましたが、最近では仕事と生活の調和を図る一助としても注目されています。
今回の英語ニュースから、商機をつかもうとするデパート業界の動きを読み解きましょう。
Japan's annual summertime "Cool Biz" campaign started early this month, with many workers across the country dressing more casually. The government's efforts to improve the work-life balance has prompted stores this year to focus more on leisure time.
One of Japan's major department stores, Takashimaya, is selling chic business suits made from silk and wool. They can also be used for relaxing.
In addition, the store is offering short-sleeve shirts designed to look snappy, even when worn untucked. Sneakers and socks that provide ventilation, and go along with the suits, are available as well.
(Takuro Fujii / Takashimaya)
"People place importance on both their working hours and private time. So we should propose a new style of 'Cool Biz'"
センテンスごとに学ぶ
promoteは「奨励する、促進する」、あるいは「宣伝する」などを意味します。ここでは「商品の販売を促進する」です。
with A+補語 の形は「Aが~の状態である」ことを示し、with a special focus on designsでは、Aに相当するのがa special focus「特別な注目」、補語がon designs「デザインに置かれている」です。
関係代名詞that以下は、デザインの詳細を説明しています。
ここでのunwindは「くつろぐ」という意味です。
Cool Bizは、政府が2005年に「夏場の軽装による冷房の節約」をキャッチフレーズに始めた節電キャンペーンで、衣料品業界やデパート業界はこれを販売促進の商機と捉えています。
early this monthは「今月上旬」です。似た表現にearlier this monthがありますが、この場合は同じ月の発言の時点よりも前に遡りますが、必ずしも上旬ではない可能性を含みます。例えば5月31日にearlier this monthと言った場合、5月上旬の場合もありますが、5月中旬も当てはまるのです。
with many workers ... dressing ...は前述のwith A+補語の形で、「全国の多くの労働者がよりカジュアルな服装をして」です。
本文では日本語の「軽装」を、dress casuallyと表現しています。
work-life balanceは「仕事と生活のバランス、調和」で、lifeは仕事以外の私生活を指しています。
effortは「努力」ですが、複数形にしてefforts to do ...とすると「~しようという試み」です。
prompt A to ...は「Aが~するように促す、駆り立てる」という意味です。この文の骨格部分を抜き出せば、the government's efforts prompted stores to focus on ...「政府の試みが店に~に注目するよう促した」となります。
business suitsは「ビジネススーツ、背広」です。
chicはフランス語由来の形容詞で、「おしゃれな、粋な、上品な」という意味があります。日本語でいう「シック」の元になる単語です。
made from ...とmade of ...はよく混同されますが、made fromは素材が原形をとどめないくらい加工された場合に使い、made ofは素材の質感が分かるような加工というように区別できます。Sake is made from rice.「酒は米から作られています」は前者の例で、This table is made of wood.「この机は木で作られています」は後者の例になります。
the storeは、前のセンテンスに出てきた高島屋を指しています。
ハイフンを含むshort-sleeveは、「半袖の」という形容詞としてshirtsを修飾しています。
snappyは「(題目や広告などが)短く的確な、気の利いた」ですが、ここでは服装についてなので、neat and elegant, clean and tidy「こざっぱりと、きちんとしている」といった意味です。snappyには、一方で「口うるさい、怒りっぽい」という否定的な意味もあります。
tuckedは「折り込まれた」ですから、反義を表す接頭辞un-が加わったuntuckedは、ここでは「すそがズボンに折り込まれていない」、つまり「すそが出た状態」を指しています。
関係代名詞that以下が、sneakers and socks「スニーカーや靴下」の詳細を説明しています。
provideは「提供する、供給する」で、ventilationは「通気」ですから、provide ventilationは「通気性がある」です。
go along with ...は「~と合う」という句動詞です。
availableは「入手可能である」という形容詞ですが、ここでは販売側から見た「販売する」という日本語訳にしています。
高島屋の担当バイヤーの言葉を英訳したものです。
place importance on ...は「~に重きを置く、~を重視する」という定型的な表現です。
both A and Bは、肯定文においては「AもBも」ですが、否定文で用いられるbothは「どちらも~というわけではない」という部分否定になります。例えば、A or B but not bothと言えば「AまたはBで、どちらか一方」という意味になります。
lineupは「顔ぶれ、陣容」、野球では「打順」なども意味しますが、ここでは「(商品の)品ぞろえ」のことです。
西武百貨店は今年のクールビズ商戦で、働く女性向けにUVカットや透けることを防ぐといった機能性を高めた生地を新たに加えたほか、コーディネートを変えるだけで、オンオフ公私どちらにも対応できるファッションを提案しているということです。