2019年6月18日(火)
FCA ルノーとの経営統合案を撤回
FIAT CHRYSLER PULLS PLUG ON RENAULT MERGER PLAN
英語タイトルのFIAT CHRYSLER PULLS PLUG ON RENAULT MERGER PLANは「フィアット、ルノーとの合併計画を撤回」です。
FCA=フィアット・クライスラーが6月5日、日産自動車と提携するフランスのルノーに対して行っていた経営統合の提案を取り下げると発表しました。ルノーの筆頭株主であるフランス政府の対応に不満があったのではという見方も出ています。
今回のニュースを通して、会社の取締役会や、そこでの意思決定に関連する語彙・表現を学びましょう。
FCA proposed the merger with Renault in late May. It said the deal would create the world's third-largest carmaker.
Renault's board members have held meetings on the plan over the past two days, but they were unable to make a decision after the French government called for a delay. The government is Renault's largest shareholder.
Economy Minister Bruno Le Maire said the merger would need to take place under the framework of Renault's alliance with Japan's Nissan. The minister said the integration would require Nissan's support. But French government sources say Nissan representatives at Renault's board meetings said they would abstain from a vote.
A French government official expressed disappointment with FCA.
The French government had demanded a seat on the merged company's board to retain its influence.
センテンスごとに学ぶ
pull the plug on ...は「~(計画・プロジェクトなど)を終わらせる、~(計画・プロジェクトなど)から手を引く」という熟語です。文字どおりには、plugは電気製品のコードの先端についていてコンセント(英語ではoutlet)に差し込む「プラグ」で、pull the plugは「プラグを引き抜く」です。そこから本文のように「計画や提案、プロジェクトなどをご破算にする」という意味でも使われます。
it's become clearのitは、thatから先の部分を指しています。that ...のことが「明らかになった」です。
prevent A from ...は「Aが~するのを妨げる」です。...の部分には、動詞+ing(動名詞)、または名詞が入ります。
the arrangementは、センテンス1のproposed merger「提案された合併」を指しています。
ここではセンテンス2のthe arrangementを、the dealと言い換えています。
the world's third-largestは「世界第3位の」です。「~番目に大きい」という場合、本文のように序数を使って表せます。
センテンス1のautomakerを、ここではcarmakerと言い換えています。「自動車会社」には何通りかの訳語がありますが、automakerとcarmakerはよく使われる語です。
make a decisionは「決定する」です。「決定する」と言うときdecisionとセットで使われることの多い動詞は、make、reach、come to、arrive atなどです。reach a decisionは、make a decisionと比べて、多少の困難を経て決定に至ったニュアンスがあります。
ここでのdelayは「先延ばし」という名詞です。
shareholderは「株主」です。shareは「株」で、hold「保有する」に-erを付けたholderは「所有者、保有者」です。ちなみに、hold shares in a companyと言えば「会社の株を保有している」です。また、「大株主」ならlarge shareholder、big shareholder、major shareholderなどと表現できます。
take placeは「起こる、行われる」です。どちらかというと、偶発的な出来事より、事前に計画された何かが「開催される、行われる」という意味で使います。
allianceは相互利益のための連帯で、企業連合についても、国どうしの同盟についても使います。allianceの語頭と似ているallyは、名詞では「仲間、味方、同盟国」、動詞では「同盟させる、連携させる」という意味です。
the integration「(経営)統合」は、ここまで使ってきたmergerの言い換えです。
abstainは「棄権する」、abstain from a voteは「投票を棄権する」です。
disappointmentは「失意、落胆」です。express disappointment with ...は「~への失意(落胆の気持ち)を表明する」です。withの代わりに、atやoverが使われることもあります。
have a seat on the board of directorsは「役員会(取締役会)の一員である、役員(取締役)である」です。そもそものseatは「イス」ですが、このように「会員の地位」という意味で使われることがあります。例えば選挙の話題では、win a seat「議席を得る、当選する」や、lose a seat「議席を失う、落選する」という言い方をします。