2019年7月10日(水)
日本 韓国への輸出規制を強化
JAPAN TO TIGHTEN MATERIAL EXPORTS TO S. KOREA
英語タイトルのJAPAN TO TIGHTEN MATERIAL EXPORTS TO S. KOREAは「日本、韓国への原材料輸出規制の強化へ」です。
日本政府は、韓国に対する輸出の優遇措置を見直し、半導体や軍需物資の製造に使われる原材料について輸出の規制を強化すると発表しました。
最近の日韓関係は、元徴用工訴訟や慰安婦問題、それにレーダー照射事件などをめぐって悪化していて、対立の出口が見えません。今回のニュースを通して、関連の語彙を増やしましょう。
The Economy, Trade and Industry Ministry says the tougher rules will apply to three materials used in high-tech products. They include high-purity hydrogen fluoride for production of semiconductors, and materials used in making smartphones.
Starting on Thursday, Japanese exporters will be required to apply for permission for each shipment of the materials to South Korea. Japanese firms have large market shares of the products.
South Korea has reacted sharply. Seoul's trade and industry minister said Japan's move is economic retaliation for South Korean court rulings. The rulings ordered Japanese companies to compensate laborers who say they were forced to work for the companies during World War II.
センテンスごとに学ぶ
restriction(s) on ...は「~に対する規制(制約、制限)」です。
-enは形容詞または名詞の語尾に付加されて、動詞(他動詞・自動詞)を作ります。例えば、sweeten「甘くする」「甘くなる」、redden 「赤くする」「赤くなる」、harden 「固くする」「固くなる」や、次のセンテンスで使われているworsen「悪化する」もそうした動詞の1つです。
人と人、集団と集団、国と国の「関係」という意味のrelationは通例、複数形のrelationsにして使います。
ここでのoverは「~をめぐって」という意味の前置詞です。例えば、a territorial dispute over the islandsなら「島をめぐる領土問題」です。
政府は、「信頼関係が損なわれる中で、安全保障を目的に適切な輸出管理をするための措置」としていて、徴用をめぐる問題の対抗措置ではないと説明しています。
the Economy, Trade and Industry Ministryは「経済産業省」です。正式な英名は、the Ministry of Economy, Trade and Industryで、METIと略されます。
ここでのapplyは、自動詞で「~に当てはまる、~に適用される」です。他動詞として使って、apply the tougher rules to three materials「規制強化を3つの原材料に適用する」と言うこともできます。
文頭のtheyは、three materialsを指しています。
政府は半導体や有機ELパネルの製造などで使われるフッ化ポリイミド、レジスト、高純度のフッ化水素の3品目について、韓国への輸出規制を強化することにしました。
exporterは「輸出業者」です。反対は、importer「輸入業者」です。「輸出国」「輸入国」も、それぞれexporter、importerと言うことがあります。例えば、the world's largest oil importerなら「世界最大の原油輸入国」です。
日本語の「求める」の英訳として使える言葉はdemand、request、call forなどいくつかありますが、法律や規則などで正式に「義務づける」というときには通例、requireを使います。require A to ...は「Aに~することを義務づける」です。
apply for ...は「~を申請する」です。
3品目は軍需物資の製造にも使うこともできることから、手続きを簡素化していたこれまでの韓国への優遇措置を改め、今月4日からは輸出ごとに許可の申請が必要になります。
market shareは「市場占有率」です。
「Xパーセントの市場シェアがある」と言いたいときはhave a market share of X percent、またはhave (a) X percent market shareと表現できます。
sharplyは、人の物言いや反応の仕方を修飾するときには、「厳しく、強く、辛らつに」という意味になります。日本語でよく使う「~に強く反発する」を英訳するときの1つの選択肢として、react sharply to ...を覚えておくといいでしょう。
センテンス3には、日本のthe Economy, Trade and Industry Ministry「経済産業省」が出てきました。ministryは「省」ですが、そこの長を務める「大臣」がministerです。
retaliationは「報復」です。動詞形は、retaliate「報復する」と言います。
court rulingは「判決」です。動詞ruleには「裁定する、判決する」という意味があります。
order A to ...は「Aに~するよう命令する」、force A to ...は「Aに~するよう強いる」です。
compensateは「補償する、賠償する」です。例えば、compensate A for his injuryなら「(Aに)傷害について賠償する」です。
韓国大法院(最高裁)は去年10月末以降、すでに3つの訴訟で、日本企業に対し、元徴用工への賠償金支払いを命じています。日本政府は1965年の日韓請求権協定で賠償問題は解決済みとの立場を取っています。