2019年7月12日(金)
下着に“キモノ”のブランド名 抗議受け変更
KARDASHIAN TO RENAME 'KIMONO' UNDERWEAR BRAND
英語タイトルのKARDASHIAN TO RENAME 'KIMONO' UNDERWEAR BRANDは「カーダシアンさんが下着ブランド『キモノ』の名称を変更へ」という意味です。
アメリカで矯正下着の新ブランドに「キモノ」という名称を使い、物議を醸していたタレントのキム・カーダシアンさんが、批判を受けてブランド名を変えることを明らかにしました。
本文に出てくるrename、petition、cultural appropriationなどの言葉に注目して、SNSを中心に大きな議論を呼んだこの話題を英語で学びましょう。
The celebrity announced a week ago that she was launching a line of shapewear named after the traditional Japanese attire. But on Monday, she said through Twitter that she had reconsidered, and would give the brand a new name.
She faced a storm of criticism for cultural appropriation and filing for trademarks using the word kimono. Critics, including Japanese residents of the U.S., say they were surprised by the lack of respect for the kimono. More than 120,000 people signed an online petition opposing the brand name.
The mayor of Kyoto issued a statement on Tuesday welcoming her decision. He had earlier written to ask her to not use "Kimono" as a trademark.
センテンスごとに学ぶ
reality TVは「リアリティー番組、リアリティーショー」などと呼ばれます。台本や演出に基づいた筋書きのある内容ではなく、セレブの日常や、特殊なシチュエーションにおかれた人たちがどのように行動するかといった様子をそのまま映し出すテレビ番組のジャンルの1つです。カーダシアンさんは、カーダシアン一家のセレブライフを放送した番組で人気を博しました。
ここでのrenameは「名称を変える」という意味です。
shapewearは「矯正下着」のことです。
ここでのlineは「ブランド、取扱商品、商品ライン」という意味で使われています。
backlashは「反発、反感」で、face a backlashは「反発に直面する」です。
celebrityは「有名人」です。カーダシアンさんはアメリカで女優やモデルとして活躍する一方、実業家としても有名です。
ここでのlaunchは「(新しい商品を)発売する、売り出す」という意味で、launch a line of ...は「~のシリーズを売り出す」です。
named after ...は「~にちなんで名付けられた」という表現です。
attireは「衣装」です。
reconsiderは「再考する」です。
カーダシアンさんは6月25日、矯正下着の新ブランドを立ち上げ、ブランド名を「Kimono」と名付けたと発表していました。しかし、その後大きな反発があったため、7月1日にツイッターで「熟慮した結果、下着ブランドの名前を変えることにした」と明らかにしました。
a storm of ...は「~の嵐」です。本文のa storm of criticism「批判の嵐」や、a storm of protest「抗議の嵐」のように使われます。
appropriationは「私有、横領、横取り」などの意味ですが、最近よく聞かれるようになったcultural appropriationは「文化の盗用」などと訳されます。他の人種や民族の(しばしばマジョリティーがマイノリティーの)文化を私物化して使用したり、まねたりすることを指しますが、どこからがcultural appropriationに当たるのかという論争になるケースも多くあります。
file for ...は「~を申請する」で、trademarkは「商標」です。カーダシアンさんは「Kimono」で商標登録の出願もしていたことから、さらなる批判にさらされました。
criticには「批評家」という意味もありますが、ここでは必ずしも職業として批評する人に限らず、「批判的な人たち」というニュアンスで使われています。
residentは「住民」です。
lack of ...は「~の欠如」という意味です。
カーダシアンさんの発表に対しツイッター上では、アメリカ国内に住む日本人などから「私たち日本人が知っているのと全く違うものが“Kimono”という名前で使用されていることに悲しみを覚えます」とか、「リスペクトの無さにビックリ」といった批判の声が相次ぎました。
ここでのsignは「署名する」という動詞です。
online petitionは「オンライン請願」で、インターネット上の嘆願書のことです。
opposeは「反対する」です。
mayorは「市長」です。ちなみに「知事」なら、governorと言います。
issue a statementは「声明文を出す」という表現です。
カーダシアンさんが、矯正下着の新ブランドに「Kimono」と名付けたことについて、京都市の門川市長は、6月28日付けで「『きもの』の名称は、きもの文化を愛する人々の共有の財産であり、私的に独占すべきものではないと考える。ブランド名としての使用を考え直してほしい」と文書で抗議していました。門川市長は、カーダシアンさんがブランド名を変える発表をしたことを受けて、これを歓迎する文書を発表しています。