2019年7月29日(月)
“人工衛星急増は天体観測の妨げ”
ASTRONOMERS: SATELLITES THREATEN SPACE OBSERVATIONS
英語タイトルのASTRONOMERS: SATELLITES THREATEN SPACE OBSERVATIONSは「天文学者らが『人工衛星は宇宙観測を脅かす』と発表」です。コロン(:)以降は、話し手(astronomers「天文学者ら」)が発表した内容を表しています。
宇宙で通信などに使われる人工衛星が今後、急激に増えると予想される中で、国立天文台は天体観測を妨げるおそれがあるとした異例の意見表明を行いました。
今回のニュースを通して、天文学や宇宙事業に関連する語彙を増やしましょう。
The research organization says these orbiting objects are so bright that they contaminate telescope observations. Over 5,000 of the approximately 8,000 satellites that have been sent up are still reportedly in orbit. And that number is expected to get a lot bigger. One U.S. venture firm, SpaceX, has already begun launching a planned 12,000 communications satellites.
An image taken by a U.S. observatory shows the effects of moving satellites. Because they are so reflective, they cut white lines across a telescope's field of view. Their impact is more than visual. Astronomers are also concerned that signals emitted by the satellites will interfere with radio telescopes.
The observatory says it will work with other astronomical organizations and satellite-related businesses to tackle the problem.
センテンスごとに学ぶ
National Astronomical Observatoryは「国立天文台」の英語名です。
growing number of ...という言い方を覚えておくと、「~する~が増えている」と言うときに応用できます。例えば「オンラインで注文する客が増えている」なら、A growing number of customers are placing orders online.と表現できます。
research organizationにtheが付いていますので、Japan's National Astronomical Observatory「日本の国立天文台」を指していることが分かります。
these orbiting objects「周回するこれらの物体」は、satellitesを指しています。動詞orbitは、惑星や月を「周回する」です。そのための宇宙船や人工衛星は、orbiterと言うこともあります。
contaminateは「汚染する、汚す」ですが、ここでは「(汚れによって)品質を落とす」、つまり「支障を来す」ということです。contaminatedなら「汚染された」と形容詞になり、contaminated waste「汚染廃棄物」、contaminated blood「汚染血液」のように使えます。
over ...は「~を超える」です。
send upは「~を上に送る」、つまり「打ち上げる」です。ここでは、次のセンテンスで使われているlaunchと同じ意味です。
be in orbitは「軌道上に、軌道に乗って」という表現です。
be expected to ...は「~すると予想される、~することになっている」です。
2文目のOne U.S. venture firm ...で始まるセンテンスが、「数字は大幅に増えると予想される」理由を述べています。
Space Xは、2002年に設立されたベンチャー企業です。2012年5月に民間企業として初めて、国際宇宙ステーション(ISS)に向けた無人補給機の打ち上げに成功して話題になりました。
communications satellitesは「通信衛星」です。satellitesが複数形なのに、なぜこの名詞句にaが付いているのかを疑問に思われる方もいらっしゃるでしょう。a+修飾語+数詞+複数名詞というパターンがあり、例えばa staggering 150,000 patients「15万人もの患者」、an estimated 500 bottles of wine「推定500本のワイン」のように使います。
ここでのreflectiveは「(光・熱などを)反射する」という意味の形容詞です。例えばreflective tapeなら光を反射するテープのことです。
cut white lines across ...は「~を横切るように白線を引く、~を切り分けるように白線を入れる」という感じです。cut a holeと言えば「(はさみやナイフで紙・布その他の素材をくりぬいて)穴を開ける」ですが、同じように考えて、satellites cut linesは「人工衛星が(視野を横切って)線を入れる」ということです。
field of viewは「視野、視界」です。field of visionとも言います。
アメリカの天文台が星を観測するために撮影した画像には、アメリカのベンチャー企業がことし5月に打ち上げた60の小型の人工衛星が太陽の光を反射して何本もの白い線となって写っていて、観測ができない状態になっています。
visualは「目に見える、視覚的な」です。名詞として使うこともあり、名詞のvisualは、記事や発表(プレゼンテーション)を分かりやすく興味深いものにするために使用する図や写真や映像などのことです。
emitは「(光・音・熱・気体・液体を)発する」です。名詞形は、emissionです。greenhouse gas emissions「温室効果ガス排出量」、CO2 emissions「二酸化炭素排出量」などのフレーズでよく使われます。
interfere with ...は「~を妨害する、~に干渉する」です。
「~と共同で~する」と言うための表現はいろいろありますが、簡単にwork withとすることができます。本文のように、work with A to ...に動詞を続けることもできますし、work with A on ...と名詞を続けることもできます。onのあとには、共同で取り組む事業・作業を入れます。