2019年7月30日(火)
英 ジョンソン氏が首相に就任
JOHNSON TAKES OFFICE AS BRITISH PRIME MINISTER
英語タイトルのtake officeは「就任する、政権を握る」という意味で、JOHNSON TAKES OFFICE AS BRITISH PRIME MINISTERは「ジョンソン氏が英国首相に就任」です。
英国の新首相にボリス・ジョンソン氏が就任したというニュースです。ジョンソン氏は、国民に向けてどのような演説を行ったでしょうか。政権与党である保守党内部では、どのような反応があったでしょうか。こうした点に注意しながら、EU離脱の問題を抱える英国情勢を英語で学習しましょう。
In a speech to the nation outside 10 Downing Street, Johnson said he will keep his pledge to take Britain out of the European Union on October 31.
(Boris Johnson / British Prime Minister)
"We are going to fulfill the repeated promises of Parliament to the people, and come out of the EU on October the 31st, no ifs or buts. The British people have had enough of waiting. The time has come to act, to take decisions, to give strong leadership, and to change this country for the better."
Johnson earlier visited Buckingham Palace, where Queen Elizabeth asked him to form a new government.
Johnson's ascent comes at a time of mounting opposition to him from within his own Conservative Party. Chancellor of the Exchequer Philip Hammond quit his post over Johnson's hardline stance on Brexit. In forming his Cabinet, Johnson has sacked many ministers who served in May's government.
センテンスごとに学ぶ
prime ministerは「首相」です。7月24日、英国の新たな首相に与党・保守党の党首となったボリス・ジョンソン氏が就任しました。
take overは「引き継ぐ」という意味です。前首相がTheresa May「テリーザ・メイ」氏で、その後継者がボリス・ジョンソン氏となりました。
reinは「手綱」で、通常は複数形で使います。the reinsは、比喩的に「国や組織の統制、支配」を表すことがあり、the reins of powerは「政権」という意味です。
ジョンソン氏は55歳。ロンドン市長を経て、メイ政権のもとで外相を務めましたが、去年夏、メイ首相が打ち出したEUとの協調を重視する離脱方針に反発して辞任しました。
ここでのthe nationは「国民」という意味です。
10 Downing Streetは「ダウニング街10番地」ですが、この場所に英国の首相官邸があることから、「首相官邸」を表しています。
keep one's pledgeは「~の公約を守る」という表現です。
take Britain out of the European Unionは「英国をEU(ヨーロッパ連合)から離脱させる」です。
ジョンソン新首相の演説の一節です。
ここでのfulfillは「実現する、果たす」という意味です。
the repeated promises of Parliament「議会で繰り返された誓約」の部分は、英国議会で何度もEU離脱協定案が否決され、EU離脱という公約が実現していないことを表しています。
ifsはif「もし」の複数形、butsはbut「でも」の複数形で、no ifs or butsは「『もし』や『でも』はありません」です。何かを必ず実現するという強い意志を表明する場合に使う表現です。
have had enough of ...は「~には、もううんざり」という日常的な表現です。ここではenough of waitingですので、「さんざん待たされてうんざり」という意味です。
the time has come to ...は「~すべきときがやってきました」です。
また、for the betterは「良い方向へ」です。
ここでのearlierは時間的に「前に」ということで、首相官邸前で行った演説に「先立ち」となります。
him「彼に」は、ジョンソン氏を指しています。
form a new governmentは「新政府を作る」です。
このセンテンスにより、英国では首相は王室から任命を受けて就任することが分かります。
ascentは「昇進」という意味ですが、ここでは「首相就任」を表しています。
at a time of mounting oppositionは「反発が高まっているときに」です。
from within his own Conservative Partyは「自分が所属する保守党内部から」です。
与党の保守党内部では合意なきEU離脱も辞さない構えを示すジョンソン新首相への反発が早くも広がっていて、これに反対する閣僚の辞任が相次ぎました。
chancellor of the exchequerは「(英国の)財務大臣」のことです。
quitは「(役職などを)やめる、辞任する」という意味で、現在形も過去形もquitです。
hardline stanceは「強硬な姿勢」です。
Cabinetは通例、語頭を大文字にして「内閣、閣僚」です。
ここでのsackは「解雇する、首にする」で、イギリス英語で使われるかなりくだけた表現です。アメリカ英語ならfireを使い、丁寧に表現するならdismiss、dischargeなどを使います。
ここでのserveは「務める、仕える、働く」という意味です。