2019年8月9日(金)
テディベアで“もう点滴は怖くない”
12-YEAR-OLD'S IDEA TO HELP KIDS
今週1週間は、アメリカのABCニュースを取り上げます。キャスターはごく普通の日常会話で語るので、ときに文法的な規範から外れることもありますが、あまり気にすることなく、解説を参考に生き生きとした英語に触れてください。
英語タイトルの12-YEAR-OLD'S IDEA TO HELP KIDSは「子どもを助けるための12歳の発案」という意味です。
今回は、病院の点滴を子供たちが怖がらないようにするために12歳の少女が考え製作したものを紹介しています。どのようなアイデアなのか、英語で学習しましょう。
Twelve-year-old Ella Casano of Connecticut came up with the idea for the Medi Teddy. It's a stuffed animal pouch that covers IV bags.
Ella created Medi Teddy to make IVs less intimidating for children in hospitals. She has been fighting an immune system disorder for five years.
Ella has already received a patent for her idea and lined up a manufacturer.
(Janai Norman / ABC News)
"Very nice there."
(Kenneth Moton / ABC News)
"Great idea — so awesome she's helping other kids."
センテンスごとに学ぶ
冒頭のHere's a fun story.は、取り上げたニュースを「さあ、次は楽しい話題です」と紹介しています。
fundraising campaignは「資金集めの活動」です。具体的には、クラウドファンディングサイトのGoFundMeで資金を募りました。
ここでのraiseは「(資金などを)集める、調達する」という意味です。
a young entrepreneur「幼い事業家」とは次のセンテンスに出てくる12歳の少女のことで、12歳にしてnearly 20,000 dollars「2万ドル近い額」を集めたので、このような表現になっています。
other kids with medical issuesは「医学的な問題を抱えるほかの子供たち」です。この12歳の少女は、自身も病気と闘っています。
come up with ...は「(考えなどを)思いつく」という表現です。
stuffed animalは「動物のぬいぐるみ」、pouchは「小袋」です。
IVは「点滴」で、intravenous dripを省略したものです。
テディベア(クマのぬいぐるみ)のデザインになっているので、Medi Teddyと名付けたものと思われます。この「メディ・テディ」は、点滴のボトルや袋をぬいぐるみで覆い隠すものです。クマの背中側にあるネットに点滴のボトルや袋を入れられるようになっていて、子供に見える表側はかわいいクマの姿ですが、医療スタッフは裏側から点滴の減り具合を簡単に確認することができます。
intimidating は「おびえさせるような、怖がらせるような」という意味で、make IVs less intimidatingは「点滴の怖さを軽減する」です。
immuneは「免疫の」という意味で、immune system disorderは「免疫系障害」です。
エラさんは、ITP(immune thrombocytopenic purpura)「免疫性血小板減少性紫斑病」と診断されています。7歳のときから数週間おきに点滴をしなければいけなかったエラさんは、点滴や医療器具を見て感じる恐怖を和らげようと、メディ・テディを考えだしました。
patentは「特許」で、patentの最初のaの部分にアクセント(強勢)があることに注意しましょう。
ここでのline upは「確保する、手配する」という意味で、line up a manufacturerは「製造会社を見つける」ということです。
エラさんは点滴が怖いのは自分だけではないはずだと考え、世の中に広めようとしましたが、メディ・テディを工場で作るには最低500個の注文が必要だと知り、センテンス1にあるように、クラウドファンディングで資金を募りました。エラさんはその後、集まった資金で500個のメディ・テディを作り、自分と同じように病気と闘うほかの子供たちに無償で提供することを決めました。