2019年10月9日(水)
ラグビーW杯 日本がアイルランドに勝利
JAPAN UPSETS NO. 2 RANKED IRELAND
英語タイトルのJAPAN UPSETS NO. 2 RANKED IRELANDは「日本、ランキング2位のアイルランドに番狂わせの勝利」です。ここでのupsetは「(格上の相手を)番狂わせで破る」という動詞です。
ラグビーワールドカップ日本大会1次リーグの第2戦で、日本は優勝候補の一角アイルランドに19対12で勝利しました。1次リーグ最大の難敵を破って2連勝。前回大会の南アフリカ戦に続き、今度は地元開催の大会でまたも歴史に残る番狂わせを演じ、初めてのベスト8進出に向けて大きく前進しました。
今回のニュースを通して、「リードを広げる」「リードを縮める」「○対○で勝つ」といった、試合の状況を伝える英語表現を学びましょう。
The excitement started building a few hours before the game, as people gathered at the stadium in Shizuoka Prefecture, not far from Mount Fuji. Ireland is seen as one of the favorites to win the cup.
Thirteen minutes into the match, Ireland took the lead as Garry Ringrose dived in for the first try. Ireland expanded its lead soon afterward with another try. But Japan closed the gap with penalty kicks until there was only a three-point difference.
In the second half, Kenki Fukuoka scored Japan's first and only try, giving the home team the lead. Japan added three more points on a kick, beating Ireland with a final score of 19 to 12.
Japan is building a reputation for World Cup surprises. Four years ago in England, it claimed a shock victory over South Africa.
センテンスごとに学ぶ
host nationは「開催国」です。hostは「開催する」という意味の動詞として使うこともあります。Japan is hosting the Rugby World Cup.なら「日本はラグビーワールドカップを開催しています」です。
「世界ランキング2位」は本文のように world-ranked No. 2とするほか、the world's second-rankedとすることもできます。「世界ランキング1位のテニス選手」なら、the world's top-ranked tennis playerのように表現できます。
ここでのcrowdは「大勢の観客」という意味です。
excitement「興奮」が「高まる」というときに使える動詞buildを覚えておきましょう。ほかに、mountやsurgeも、excitementを主語にして「高まる」という意味で使えます。
favoriteには「お気に入り、大好きなもの」という意味もありますが、スポーツでは「優勝候補、本命」という意味で使われます。
see A as Bは「AをBとみなす」です。regard A as Bで言い替えることもできます。
ここでの the cupは「優勝カップ」です。
into ...は「(時間的に)~に入って」です。ですから、thirteen minutes into the matchは「試合に13分入って」、つまり「試合が始まって13分で」です。
take the lead は「リードを奪う」という表現です。
ここでのdivedは、diveの過去形です。diveの過去形としてはdoveという単語もあり、dive-dove-divedと変化します。意味は同じですが、アメリカ英語でdoveが用いられる傾向があります。
ラグビーでは、try「トライ」(敵側のインゴールでボールを地面に触れさせること)を決めると5得点入ります。その後キックの権利が与えられ、これをゴールさせると2点です。
ここでのthe gapは「点差」で、close the gapは「差を縮める」です。反対に、勝っているほうを主語にして widen the gapと言えば「差を広げる、だめ押し点を入れる」を表せます。
ペナルティーゴールが決まると3点です。試合は前半13分にアイルランドが巧みなキックから先制トライを決めるなどリードを奪われますが、日本も田村優選手が3つのペナルティーゴールを決めて9対12と競り合いに持ち込んで折り返しました。
「前半」はthe first half、「後半」はthe second halfと表現できます。
score a tryは「トライを決める」です。get a tryとも言います。
the home team「開催国チーム」は、つまり「日本チーム」を指しています。
後半に途中出場したウイングの福岡堅樹選手は18分にトライを奪って逆転に成功し、このあとのゴールも田村選手が落ち着いて決めて、16対12とリードしました。
beat は、beat(原形)-beat(過去形)-beaten(過去分詞形)と変化する不規則動詞です。
「AがBに勝つ」と言うときは、本文のbeatやセンテンス1のdefeat、センテンス8の claim a victory over ...などを使って表せます。ただし、A win Bとは言いません。これだと「AがBに勝つ」ではなく、例えばセンテンス3のwin the cup「優勝カップを獲得する」のように、「AがBを獲得する(手に入る)」という意味になってしまいます。
日本は31分に相手の反則から、田村選手が4つ目のペナルティーゴールを決めてリードを7点に広げると、屈強な相手の攻撃を最後まで体を張って守り、19対12で勝ちました。日本がアイルランドと対戦するのは今回が10回目ですが、過去は9戦全敗でした。
数えられる名詞のsurpriseには「驚きのもの、人を驚かせる出来事」という意味があります。スポーツや選挙では「意外な結果、番狂わせ」で、英語タイトルに出てきたupsetという言葉を使っても同じです。
claim a victoryは「勝利を挙げる」という表現です。shock「衝撃的な」が間に入っているので、claimed a shock victoryは「衝撃的な勝利を挙げました」となります。