2019年10月15日(火)
ノーベル化学賞に吉野彰さん
RESEARCH ON LITHIUM-ION BATTERY RECOGNIZED
英語タイトルのRESEARCH ON LITHIUM-ION BATTERY RECOGNIZEDは「リチウムイオン電池の研究が認められた」という意味です。
今年のノーベル化学賞の受賞者に、スマートフォンなどに広く使われ、太陽発電や風力発電などの蓄電池としても活用が進むリチウムイオン電池を開発した吉野彰さんら3人が選ばれました。
本文に出てくるcrucial、fossil fuel、electrodeなどの用語に注目しながら、このニュースを英語で学びましょう。
(Goran Hansson / Secretary General of the Royal Swedish Academy of Sciences)
"The Royal Swedish Academy of Sciences has today decided to award the 2019 Nobel Prize in Chemistry jointly to John B. Goodenough, M. Stanley Whittingham, and Akira Yoshino for the development of lithium-ion batteries."
In 1985, Yoshino created the first commercially viable lithium-ion battery using carbon fiber in the negative electrode. Today, these lightweight, rechargeable batteries are used in everything from smartphones to laptops. They also paved the way for electric cars, as well as solar and wind power.
センテンスごとに学ぶ
shareは「分け合う」で、share a prizeは「共同受賞する」という意味です。
Nobel Prize in Chemistryは「ノーベル化学賞」のことです。
日本人がノーベル賞を受賞するのは、去年、医学・生理学賞を受賞した本庶佑さんに続き、アメリカ国籍を取得した人を含めると27人目で、化学賞は9年前の鈴木章さんと根岸英一さんに続いて8人目となります。吉野さんは京都大学大学院を修了後、旭化成に入社し、電池の研究開発部門の責任者などを務め、現在は旭化成の名誉フェローです。一昨年からは名城大学の教授も務めています。
recognizeは「認める」です。
inventionは「発明」です。
crucialは「非常に重要な、肝要な、肝心な」という意味です。
複数形のelectronicsは「電子機器」のことです。
fossil fuelは「化石燃料」です。
リチウムイオン電池は、自然エネルギーの電気をためる蓄電池として利用が広がるなど、化石燃料を使わない社会の実現を可能にする地球環境にやさしい技術として高く評価されています。
スウェーデン王立科学アカデミーのヨーラン・ハンソン事務局長による受賞者の発表です。
the Royal Swedish Academy of Sciencesは「スウェーデン王立科学アカデミー」のことです。
ここでのawardは「(賞を)授与する、贈る」という動詞です。
lithium-ion batteryは「リチウムイオン電池」です。
ノーベル化学賞を共同受賞したウィッティンガムさんは1970年代の石油危機当時、化石燃料を使わない方法を模索し、繰り返し充電と放電ができる新しい電池を開発しました。グッドイナフさんはオックスフォード大学で研究中に、「コバルト酸リチウム」という化合物の電極を正極に用いると電池の安定性と持ちが良くなることを発見しました。
commerciallyは「商業的に」、viableは「実現可能な」です。commercially viableは「商売として成り立つ、採算の取れる」という意味になります。
carbon fiberは「炭素繊維」です。
electrodeは「電極」で、negative electrodeは「負極」です。
吉野さんは「コバルト酸リチウム」という化合物の電極と炭素繊維の電極を組み合わせて、1985年、現在のリチウムイオン電池の原型となる新たな電池の開発に成功しました。
lightweightは「軽量の」という形容詞です。
rechargeableは「充電可能な」です。
「ノート型パソコン、ラップトップ型コンピューター」のことを、laptopと呼びます。