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2019年11月18日(月)

ラジオ第2 2019年11月18日(月)の放送内容

ジンベエザメの口内に新種のヨコエビ発見

NEW SPECIES DISCOVERED INSIDE WHALE SHARK

2019年10月28日のニュース

英語タイトルのNEW SPECIES DISCOVERED INSIDE WHALE SHARKは「新種の生物がジンベエザメの口の中で発見される」です。discoveredの前には本来be動詞が入るべきですが、英文ニュースの見出しでは、しばしば省略されます。
日本の研究グループが、世界最大の魚であるジンベエザメの口の中に「ヨコエビ」と呼ばれる甲殻類の新種を発見しました。ヨコエビはどんな特徴のある生き物なのでしょうか。どのようにして口の中で生息するようになったのでしょうか。生物分野の専門用語にも注意しながら、このニュースを英語で読み解いてみましょう。

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They may be small, but shrimp-like creatures called Gammaridae are known for their outsize will to live. And now Japanese researchers say that they have found a new variety living inside the mouth of the biggest fish in the sea — the whale shark.
The minuscule crustaceans are diminutive in size, measuring just five millimeters long, and have hairy legs.
The researchers say that the creatures appear to enter the mouth of a whale shark as it feeds on plankton. They suspect that the mouth of the whale shark provides a safe environment from predators, making it an ideal place to breed and settle.

(Ko Tomikawa / Associate Professor, Hiroshima University)
"I had admired them for their ability to live in any environment, such as deep seas and high mountains. But now we've discovered they can live even inside the mouth of a fish. It shows how diverse their living places could be."

The group says only some parasites are known to live in the mouths of other species.

センテンスごとに学ぶ

センテンス 1
They may be small, but shrimp-like creatures called Gammaridae are known for their outsize will to live.cal
小さなものかもしれませんが、ヨコエビと呼ばれるエビのような生き物は、その並外れた生存意思で知られています。
解 説

shrimp-like「エビのような」に含まれる接尾辞-likeは、名詞に加わることで「~のような」という形容詞を作ります。
Gammaridaeは学術的に「ヨコエビ科」と呼ばれますが、このニュースでは「ヨコエビ」としています。
outsizeは「並外れて大きな」という意味で、冒頭のsmall「小さな」体に対して、どんな環境下でも生きようとする能力が「並外れて大きい」ことを、ユーモアを交えて表現しています。

センテンス 2
And now Japanese researchers say that they have found a new variety living inside the mouth of the biggest fish in the sea — the whale shark.cal
そして今や、日本の研究者たちによれば、彼らはジンベエザメという海で最も大きな魚の口の中に生息する新種を発見したということです。
解 説

Japanese researchersは、このヨコエビの新種を発見した広島大学の研究グループを指しています。
ここでのvarietyは、生物学でいう「種」のことです。
文後半の―(ダッシュ)記号は、その前後、つまりthe biggest fish in the sea「海で最も大きな魚」とthe whale shark「ジンベエザメ」が同格であることを示しています。ここでは:(コロン)でも代用できます。
sharkは「サメ」です。ちなみに、sharkという単語には生物としてのサメだけでなく、「強欲な人間」などの比喩的な意味もあります。loan shark「高利貸し」は、よく使われる表現です。

センテンス 3
The minuscule crustaceans are diminutive in size, measuring just five millimeters long, and have hairy legs.cal
その極めて小さな甲殻類は、小型で、体長僅か5ミリメートル、そして毛の生えた足があります。
解 説

minusculeは「極めて小さな、ちっぽけな」です。minisculeと綴られることもあります。
crustaceanは、生物学上の「甲殻類」です。
diminutiveも「小型の、小柄の」という意味です。
ここでのmeasureは動詞です。大きさや重さを示す数値を目的語に取って、「(大きさ・重さが)ある」という使い方をします。
hairyは「毛の生えた」という意味ですが、多くの場合「毛むくじゃらの」というニュアンスで使われます。

センテンス 4
The researchers say that the creatures appear to enter the mouth of a whale shark as it feeds on plankton.cal
研究者たちによれば、ジンベエザメプランクトンを食べる際に、その生物が口の中に入ると見られるとのことです。
解 説

the creaturesは「ヨコエビ」を指しています。
appear to ...は「~すると見られる、~するようである」という、確証が不十分な場合によく使われる表現です。
feed on ...は「~を常食とする」という意味で、onのあとにはその食べ物が入ります。日本語訳には現れませんが、ジンベエザメプランクトンを常食としていることが分かります。

センテンス 5
They suspect that the mouth of the whale shark provides a safe environment from predators, making it an ideal place to breed and settle.cal
ジンベエザメの口が、天敵から身を守る安全な環境を提供し、繁殖して住み着く理想的な場所となっているのではないかと研究者たちは見ています。
解 説

本文の用法での動詞suspectは、それに続く内容を受けて「~ではないかと思う」です。例えば、I suspect he will be late for school.と言えば「私は彼が学校に遅刻するのではないかと思う」です。一方、間違えやすいのが動詞のdoubtで、こちらはそれに続く内容を「疑問に思う、疑う」という意味です。同じ例文を使って、I doubt he will be late for school.とすると「私は彼が学校に遅刻することを疑っている」、つまり「遅刻するとは思わない」という逆の意味になってしまいます。
provideは「~を提供する」、predatorは「天敵」や「捕食者」を指します。
後半のitは、the mouth of the whale sharkを受けたものです。

センテンス 6
"I had admired them for their ability to live in any environment, such as deep seas and high mountains. But now we've discovered they can live even inside the mouth of a fish. It shows how diverse their living places could be."cal
「私はヨコエビの生存能力に敬服していました。深海や高山など、どんな環境の下でも生きる能力にです。しかし、私たちは今や、ヨコエビが魚の口の中でさえ生きられることを発見しました。このことは、ヨコエビが住む場所がいかに多様でありえるかを示しています」
解 説

ヨコエビの生態を研究している広島大学の富川光准教授の言葉を英訳したものです。
動詞admireは、目的語を取って「~に敬服する、~を称賛する」という意味です。
in any environmentは「どんな環境においても」で、主に自然環境について使います。environmentと似た意味の単語にcircumstancesがありますが、こちらは「周囲の環境」や「状況」で、通例は複数形で使われます。under any circumstancesと言えば「どんな状況でも」です。
形容詞diverseは「多様な」です。近年、社会のさまざまな場面で見かけるのが、名詞のdiversity「多様性」です。

センテンス 7
The group says only some parasites are known to live in the mouths of other species.cal
研究グループによれば、ある種の寄生生物だけが、ほかの生物種の口の中に住むことで知られているとのことです。
解 説

parasiteは、ここでは「寄生生物」です。そこから転じて「(人の好意に甘える)寄生者、たかり」として使われることもあります。ちなみに、日本では独立せずに親と同居し続ける若者に対して「パラサイト・シングル」という言葉がよく使われますが、これは世界で通用する英語とは言えません。