2019年12月13日(金)
“ながら運転”の罰則強化
JAPAN CRACKS DOWN ON DISTRACTED DRIVING
英語タイトルのJAPAN CRACKS DOWN ON DISTRACTED DRIVINGは「日本(政府)が『ながら運転』の取り締まりを強化する」です。crack downは「取り締まりを強化する」、distracted drivingは「不注意運転」で、いわゆる「ながら運転」です。
今回のニュースは、12月1日に施行された改正道路交通法に関する話題です。本文に出てくるcrack down、serious injury、penaltyなどの英語表現に注目し、「ながら運転」の罰則強化について英語で学びましょう。
Fines and penalty points have both been increased. People who cause accidents while using mobile devices face immediate suspension of their licenses. There have been a number of accidents caused by distracted driving.
In 2016, a minivan hit two women in the western city of Tokushima while the driver was playing a smartphone game. One of the women died and the other suffered serious injuries.
(Victim)
"If the driver had just been paying attention, my friend would be alive today."
The victim says distracted driving can destroy a life in an instant and leave the bereaved in unbearable agony. She hopes the tougher penalties will help eliminate the problem.
センテンスごとに学ぶ
Japanは「日本」ですが、ここでは具体的に「日本政府」を指しています。
crack down on ...は「~の取り締まりを強化する」という表現です。
deviceは「機器」です。最近は日本でもデジタル製品全般を「デバイス」とカタカナで表記するようになっています。
behind the wheelは「運転中に」という表現です。wheelは、steering wheel「運転ハンドル」のことです。
cause an accident は「事故を起こす」です。
mobile device は、スマートフォンなどの「モバイル機器」です。
ここでのface は「受ける、直面する」という意味です
suspension は「停止」です。ここでは、免許停止処分を指しています。
license はdriver's license、つまり「運転免許証」のことです。
a number of ...には「多数の」と「いくつかの」の語義があります。「ながら運転」による事故件数は10年前のおよそ1,300件から、去年の時点で2,790件と、およそ2倍になっています。よって、ここでは「何件もの、複数の」というニュアンスで、a number of ...が使われています。
タイトルにも出てきたdistracted drivingは、いわゆる「ながら運転」を表しています。distractedは「気を散らされた、気がそぞろで」という意味です。
minivanは、日本語の自動車用語でも「ミニバン」と言われますが、2016年に事故を起こしたのは軽乗用車タイプのミニバンでした。この事故では、徳島市でスマートフォン向けのゲームアプリ「ポケモンGO」をしながら運転していた男の軽乗用車に、女性2人がはねられました。
ここでのhit は「はねる」という意味です。
suffer は「負う」、serious injury は「大けが」です。
2016年の事故で「ながら運転」の被害に遭った女性の言葉を英訳したものです。この事故は、「ながら運転」で初めての死亡事故となりました。
pay attentionは「注意を払う」という表現です。
女性はインタビューに応じて、「前を見ないというのは本当に恐ろしい行為だ。交通事故は人の一生を一瞬で奪うし、残された者は耐え難い苦痛しか残らない」と述べました。
victim は「被害者」です。
destroy は「破壊する」で、in an instant は「瞬時に」という表現です。
bereavedは、形容詞としては「近親者を亡くした、死別された」という意味ですが、the bereavedは「遺族」という名詞です。ただし、この文脈では遺族にかぎらず「残された者」です。the+形容詞で「(ある属性を持つ)人々」という名詞を作る用法で、ほかにもthe rich「富裕層」、the poor「貧困層」などがその例です。
unbearableは「耐え難い」、agonyは「苦しみ」という意味です。
tougherは、tough「厳しい」の比較級で、「より厳しい」です。
eliminate は「取り除く、解決する」です。