2020年1月9日(木)
『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』出演者インタビュー
"Star Wars: The Rise Of Skywalker" Cast Interview
今週1週間は、映画特集!今回は『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』に出演したOscar Isaac(オスカー・アイザック)さんとJohn Boyega(ジョン・ボイエガ)さんに、「ニュースで英語術」「SNS英語術」ネイティブパートナーのG・カズオ・ペニャさんが行ったインタビューの一部を取り上げてご紹介します。
第1作が公開されてから42年間続いてきた「スター・ウォーズ」シリーズが、本作品をもって完結となりました。出演者の2人はどのような思いを語っているでしょうか。文法だけにとらわれず、生身の人間が発する日常の英語の息づかいを感じ取りましょう。
This is the end to this 42-year saga in the making. It's also the end of your arc in a sense. What will you miss most about Poe?
Oscar Isaac:
It's just the laughs, the good times. He just always knows how to cut the seriousness of a situation with a well-timed quip, and that's just a fun energy to explore.
Kazuo:
Mr. Boyega, what will you miss most about Finn?
John Boyega:
I guess his charm and the jokes. The funny moments, for me, was some of the funniest, and the most interesting things took place, so definitely that's what I'm gonna miss right there.
Kazuo:
Having been a part of something that's so much greater than just a story or ... it's a whole universe ... how has it been reflecting on that for you now?
Oscar Isaac:
It's so much more than just a film. It's a cultural phenomenon that just spans the globe. And to have been a part of contributing to that story and contributing to the finality of the whole saga is a very humbling experience.
Kazuo:
Mr. Boyega, how is it going on one last adventure with everybody through this press tour?
John Boyega:
I just think this time, all of us being together, we help keep each other's energy up. And at the same time, it's good to just hang out, you know, before this finally becomes the world's, and not ours anymore.
センテンスごとに学ぶ
カズオさんから、オスカー・アイザックさんへの質問です。アイザックさんは「続3部作」の"Star Wars: The Force Awakens"『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』から今作まで、腕利きのパイロットPoe Dameron(ポー・ダメロン)を演じています。
sagaは、1つの家族や1つの部族の波乱を何世代にもわたって追うような壮大な「長編冒険小説、大河小説」のことです。ルーク・スカイウォーカーを主人公とするスター・ウォーズ「旧3部作」の公開から42年になることから、このように呼び表されています。
in the makingは「制作中の、作られつつある、進行中の」という表現です。「スター・ウォーズ」シリーズは、監督、製作会社、配給会社が変わりつつも、常に続編が作られているという状況だったので、this 42-year saga in the makingと言っています。
arcとは、一話完結ではなく、複数回にまたがって展開される物語を貫く1本の筋(ストーリーライン)です。
ここでのmissは「なくて残念に思う、いなくて寂しく思う」という意味の動詞です。これで物語が終わるわけですから、俳優としても自分が演じた登場人物と別れなくてはならない今の気持ちを聞いています。
アイザックさんの言葉です。
laugh「笑い」は、数えられる名詞です。例えば、do something for laughs「おもしろ半分にやる」、have a few laughs「笑って楽しく過ごす」、get a lot of laughs「大いに笑わせる」のように使えます。本文ではthe laughsと theが付いていますので、映画のシーンを思い浮かべながら、「あの笑い、あの楽しいひととき」という感じで臨場感を込めて話しています。
ここでのcutは「減らす、薄める、止める」という意味です。重大な事態が起きていて、雰囲気が深刻で暗くなっている場面で、ポーの発する機知に富んだひと言が雰囲気を和らげ、その場を救ったということです。
fun energyは、ここでは意訳で「楽しいノリ、面白いノリ」といった感じです。
カズオさんから、ジョン・ボイエガさんにも、アイザックさんにしたのと同じ質問をしています。
やはり「続3部作」から、主要な登場人物の1人であるFinn(フィン)を演じているのが、ボイエガさんです。Finnはもともと敵側の兵士として訓練を受けて育ちますが、脱走して、Poeらとともに古巣と闘うというキャラクターです。
ボイエガさんの言葉です。
his charmのhisは、ボイエガさんが演じたFinnを指しています。
gonnaはとてもくだけた言い方で、改まった書き言葉として表記すればgoing toになりますが、ここでは会話で発せられたままに会話調で表記しています。
right thereは、映画のさまざまなシーンを思い描いて、「ああした場面で」というニュアンスです。
(be) a part of ...は「(~の中の不可欠な)一員、一要素」です。
something that's so much greater than a story「1つのストーリーよりもずっと偉大なもの」を、質問を考える中で、壮大なものを表すのにa whole universe「宇宙全体」と言い換えています。
アイザックさんの言葉です。
聞き手の質問の一部so much greater thanに呼応する形で、so much more than a film「1本の映画をはるかに超えた存在である」と確認しています。
cultural phenomenonは「文化(的)現象」です。
spanは「全体にわたる、全体に及ぶ」で、時間や空間の語句を目的語に取ります。例えば a career spanning four decadesなら「40年に及ぶキャリア」、ancient kingdom that spanned what is now northern Greeceなら「今のギリシャ北部に広がっていた古代王国」ですし、span the globeなら「世界中に広がる、世界全体に及ぶ」です。
contribute to ...は「~に貢献する、~に寄与する」です。to have been a part of that storyではなく、to have been a part of contributing to that storyというのはやや冗長な感じを受けるかもしれませんが、多くの人がthat story「そのストーリー」に貢献していて、自分はその中の1人にすぎないというような謙虚さが感じられます。
humbling experienceは、辞書を引くと「屈辱的な経験」という訳語が載っていますが、ここではそのような意味ではありません。この大冒険物語のスケール、ひいては宇宙の壮大さに比して、自分の小ささを感じさせられるような経験だったという意味があります。
カズオさんの質問です。
go on an adventureは「冒険の旅に出る」です。「スター・ウォーズ」は冒険に次ぐ冒険の大河ドラマだったので、今回のプレスツアーをone last adventure「最後にもう1回の冒険」と表しています。
press tour「プレスツアー」は、マスコミを集めて、作品や新商品、観光地などを紹介するPRの催しです。
ボイエガさんの言葉です。
keep up ...、またはkeep ... upは「~が低下しないようにする、~を維持する」です。本文ではenergyを入れて、「それぞれの活力、元気を支え合う(維持し合う)」です。
「スター・ウォーズ」に登場する重要な要素の1つに、Force「フォース」があります。これは、銀河系の平和を守る騎士Jedi(ジェダイ)や、悪の信奉者Sith(シス)のパワーの源とされる架空のエネルギー体です。エネルギー体Force を操る能力がものを言う世界ですので、そこに掛けてkeep each other's energy upと言ったのでしょう。センテンス2のアイザックさんの言葉にも、energyを使ったフレーズa fun energy「楽しいノリ」が出てきました。
hang outは、具体的な目的もなく「たむろする、つるんで出歩く、仲間とブラブラ過ごす」という表現す。
「スター・ウォーズ」キャストの来日記者会見とインタビューは、日米同時公開を8日後に控えての催しでしたので、この時点ではまだ、制作に関わった人たちだけの作品と言っているわけです。