2020年1月10日(金)
『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』記者会見
"Star Wars: The Rise Of Skywalker" Press Conference
今週1週間は、映画特集!今回は『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』記者会見より、J.J. Abrams(J.J.エイブラムス)監督と、ヒロインを演じるDaisy Ridley(デイジー・リドリー)さんのコメントの一部を取り上げてご紹介します。
この作品は2015年に始まった、いわゆる続3部作sequel trilogy(シークエル・トリロジー)の最後を飾る作品であると同時に、長く続いたシリーズの完結編でもあります。記者会見での発言に見られる感情の込もった英語表現に注意しながら、宇宙の世界に想いを馳せてみましょう。
"Star Wars" has obviously had enormous impact on the world spanning 42 years. With this film's release just a week away, the final film of the saga, how do you feel right now?
J.J. Abrams:
Well, we've been working on this movie for two years now, so to finally have this thing be out in the world and to get to share it with you is incredibly exciting. Personally, I cannot wait for you to see the work that the actors on this stage have done. It's very exciting for us, and I hope you see the film soon. I hope you like it.
Moderator:
The trilogy began four years ago — you started filming five years ago, how have your lives changed over the last five years, and what does it mean to you to have a place in such an enduring cinematic legacy?
Daisy Ridley:
Going into it I could never have imagined what this would have been, and it feels really momentous to be part of this. It's also a strange thing to divide "Star Wars" from our lives over the past six years cos it's such a big chunk of anyone's lives.
But I think working in a place where you feel really good and really safe to make mistakes, try again ... that you feel good, that you can laugh, that you can cry, it's really wonderful, and I'm really, really glad that I've had that experience with all these people in this amazing legacy.
Moderator:
Of all the cast, who do you think is blessed with the strongest Force?
J.J. Abrams:
We really mean it when we say we're sad that we won't be doing this stuff together again, and so I think that I am on a stage of outrageously powerful Force beings that are all exactly equal.
センテンスごとに学ぶ
司会者による代表質問です。
形容詞obvious「明白な、疑いの余地のない」の副詞が、obviously「明らかに、疑いの余地なく」です。
enormousは程度が著しく激しいことを表す形容詞で、「とてつもない、甚大な」などと訳されます。
spanは「(ある期間に)わたる」という他動詞で、ここでは42 years「42年間」を目的語としています。
sagaは、特に長編小説のような長く続く「物語」「長編冒険小説、大河小説」です。スター・ウォーズのような長期にわたる映画シリーズの言い換えとしてピッタリな単語です。
J.J.エイブラムス監督の言葉です。
work on ...は「~に取り組む」という句動詞です。
センテンス後半では、have+目的語+動詞の原形という使役構文が使われています。have this thing be out in the world「これを世に出す」、つまり映画を公開するという意味です。
shareは「分かち合う、共有する」で、share A with Bは「AをBと分かち合う」です。
incrediblyは「信じられないくらい、すごく、ひどく」など、程度の激しさを表す副詞です。形容詞はincredible「信じられないほどすばらしい、すごい」です。
cannot wait ...は「~を待ちきれない」という表現で、期待する内容がこれに続きます。
ここでのworkは「仕事ぶり」という意味で、俳優の仕事ぶりですから「演技」としています。
excitingは「刺激的な、興奮させる、ワクワクさせる」という形容詞で、会話でも頻繁に使われます。
司会者による代表質問です。
trilogyは「3部作」です。具体的には2015年公開の"Star Wars: The Force Awakens"『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』、2017年の"Star Wars: The Last Jedi"『 スター・ウォーズ/最後のジェダイ』、そして今回の"Star Wars: The Rise Of Skywalker"『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』を指しています。
have a placeは「居場所がある、役割がある」で、ここでは「作品に出演する」と解釈しています。
ここでのenduringは「長続きする」という形容詞で、legacyは「過去から受け継いだもの、遺産」です。enduring cinematic legacyは、ここでは「映画界の不朽の伝統作品」としています。
デイジー・リドリーさんの言葉です。
going into itは、聞かれた質問に入っていくときにリドリーさんの口を突いて出た言葉です。
could never have imaginedは、過去のある時点において「全く想像できなかった」で、裏のニュアンスとして、その後に想像するに至ったことを示しています。3部作を始めた当初は、スター・ウォーズシリーズに参加することの重みが想像すらできなかったという意味合いです。これに対して、後段では動詞に現在形が使われていることから、今ではその重みを痛感しているわけです。
imagineは「想像する」です。
momentousは「重大な、非常に重要な」という形容詞です。
a strange thingは「変なもの」ですが、会話におけるきわめて口語的な言い回しです。
cosは、becauseの略です。ちなみに、cosはイギリス英語での省略形で、アメリカ英語では'causeと表記されます。
chunkはもともと「大きなかたまり」という意味で、a chunk of ...は「かなりの大きさの~、かなりの量の~」という表現です。
五月雨式に言葉が続く、話し言葉らしいセンテンスです。
make mistakesは「間違いをする、ミスをする」という表現です。動詞にはmakeを使うことに注意しましょう。
amazingは「驚くほどすばらしい」で、センテンス2の解説のincredible「信じられないほどすばらしい」とほぼ意味は同じですが、驚き方のニュアンスに違いがあります。
ファンから寄せられた質問です。
ここでのcastは、映画や演劇の世界での「配役」です。最近は日本語でもよく俳優のことを「キャスト」だとか、役を割り当てることを「キャスティング」と言ったりします。
blessed with ...は「~に恵まれている」という表現です。
このForceは一般的な「力」という意味ではなく、スター・ウォーズシリーズで銀河系の平和を守る騎士Jedi(ジェダイ)や、悪の信奉者Sith(シス)のパワーの源とされる架空のエネルギー体のことです。
エイブラムス監督の言葉です。
mean itは「本気で言っている、真剣だ」という意味の口語表現です。
outrageouslyは「とんでもなく」という副詞です。形容詞のoutrageous「とんでもない、言語道断の」もよく使われます。
beingは「人、もの」という意味ですから、Force beingsは「フォースをまとった面々」です。
この作品にかける強い思いはみな同じということを、監督は質問者が使った「フォース」という言葉でユーモアを交えて返しています。