2020年1月14日(火)
(Carlos Ghosn / Former Nissan Motor Chairman)
"I'm here to clear my name and to pronounce clearly and emphatically something that was interpreted as a heresy in the Japanese judicial system. These allegations are untrue, and I should have never been arrested in the first place."
Ghosn accused Japan's judicial system of violating basic human rights principles. He said his arrest was staged by the prosecutors and Nissan. He said collusion between the automaker and prosecutors is "everywhere."
Ghosn said Japan's conviction rate is 99.4 percent and that he had been presumed guilty, adding that he fled because he believes he would not be given a fair trial.
センテンスごとに学ぶ
make one's caseは「自分の言い分を述べる、自分の主張を展開する」という表現です。
bailは「保釈」で、skip bailは「保釈中に行方をくらます、失踪する、保釈後に出廷しない」です。他動詞のskipには、本来すべき何かを「やらない、さぼる、許可なく休む」という意味があります。例えば skip classなら「授業をさぼる」、skip a meetingなら「会合をさぼる」です。
fugitiveは「逃亡者」という名詞です。世界の注目を集めるゴーン被告を、the world's most famous fugitive「世界で最も有名な逃亡者」と表しています。
sideは「側面、側」で、ここでは「(対立する一方の)言い分、見方、意見」という意味です。one's side of the storyは「~の方の言い分」として使われる定型表現です。
sagaは一般的に「壮大な長編冒険小説、大河小説」です。例えば、この番組の1月9日の放送では、42年間続いてきた「スター・ウォーズシリーズ」を、42-year saga「42年間に及ぶ冒険物語」と表現する場面があります。 ここでは1年の長きに及んだゴーン被告と日本の司法とのせめぎ合いを、a yearlong legal sagaとしています。
ゴーン被告の会見での言葉です。
clear one's nameは「汚名をそそぐ」という表現です。
interpret A as Bは「AをBと解釈する」です。
heresyはもともと、宗教で「(正統派の教義に反する)異説、異端」を指す言葉です。宗教以外の分野では、「ほとんどの人たちの考えと相いれない意見、異論、反論」という意味で使われます。
allegationは、ある者や組織が不正な行為、違法な行為を働いたという内容の訴え、主張です。
should have+過去分詞は「本来~すべきだった」を表します。否定のneverがありますので、「本来は逮捕されるべきではなかった」という意味になります。
ここでのin the first placeは「そもそも」といった感じです。
accuse A of Bは「Bの行為をしたとしてAを糾弾する、非難する」です。Bには、犯罪や不正など非難されるべき行為が、名詞または動名詞(動詞のing形)で入ります。本文では、Aにあたるのが Japan's judicial systemで、Bにあたるのがviolating basic human rights principlesです。
動詞stageは「(何かを)企てて実行に移す、仕組む」です。テレビ番組などでのいわゆる「やらせ」を staged ...と表現することがあります。例えば、a staged TV showなら「やらせ番組」です。
collusionは「共謀」です。collusion between A and Bは「AとBによる共謀」です。
convictionは「有罪判決」です。動詞形はconvictで、「有罪判決を出す、~を有罪にする」という意味です。He was convicted on charges of fraud.「彼は詐欺で有罪判決を受けた」のように使います。
presumed innocent「推定無罪」という成句があります。「証拠に基づいて有罪を宣告されるまで、被告人は無罪と推定されるべきである」という刑事裁判の原則です。(presumed) innocent until proven guilty「有罪が決まるまでは無罪」とも言います。ゴーン被告はこれをもじって、日本の司法制度はpresumed guilty「推定有罪」だと皮肉ったのです。
fledは、センテンス1に出てきたfleeの過去形です。