2020年1月20日(月)
フェイスブック “ディープフェイク”動画削除へ
FACEBOOK BANS 'DEEPFAKE' VIDEOS
英語タイトルのFACEBOOK BANS 'DEEPFAKE' VIDEOSは「フェイスブックが『ディープフェイク』動画を禁止」です。
ソーシャルメディア大手の「フェイスブック」は、本物と見分けのつかない精巧な偽の映像、いわゆる「ディープフェイク」動画を、独自の基準に基づいて削除する方針を発表しました。
本文で、deepfake「ディープフェイク」が英語でどのように説明されているかに注目してこのニュースを学び、ソーシャルメディアについて会話する際の話題にしてみましょう。
Officials of the social media giant made the announcement on Monday. Deepfakes are computer-generated video clips of events that never actually happened.
The officials say they will eliminate content that has been doctored using altered speech or parts of images. Such videos are often used to spread false information. Videos created for the purpose of satire or parody are not subject to the ban.
Deepfakes of Facebook co-founder Mark Zuckerberg and U.S. House Speaker Nancy Pelosi spread widely and drew attention last year. Back then, the company indicated it would not remove such content.
Opinions are divided over the new policy. Some experts say it's a good step forward, while others say it's not sufficient. That's because the ban won't affect videos that have not been altered but may be misleading.
センテンスごとに学ぶ
ディープフェイクとは、本物と見分けがつかないほど巧妙な偽の動画を作る技術のことで、「ディープラーニング」と呼ばれるAI=人工知能の学習の技術と、うそを意味する「フェイク」の合成語です。
ban A from Bは「AをBから締め出す」で、ここでは具体的には、対象となる動画を「削除する」ということです。
platformは、情報技術分野で、コンピューター利用の基盤となるオペレーティングシステムやハードウェア、ソフトウェアなどの環境や設定を指します。ここでは、フェイスブックのサイトのことです。
"deepfake" videoは、本物と見分けのつかない精巧な偽の映像のことです。本文ではso-called "deepfake" videos「いわゆる『ディープフェイク』動画」と説明的に使われていますが、多くの場合、deepfakeだけで使われます。
presidential electionは「大統領選挙」です。
officialsは「役員、幹部職員」などの意味ですが、組織そのものを指すこともあります。
giantは「大手、大企業」です。the social media giant「そのソーシャルメディア大手」は、Facebook「フェイスブック」を言い換えています。
make an announcementは「発表する、公表する」という表現です。
deepfakesは、センテンス1で登場したdeepfake videosと同じ意味で使われています。
computer-generatedは「コンピューターで作られた、コンピューターで処理された」です。
video clipは「動画クリップ、ビデオクリップ」です。
ここでのdoctorは「不正に変える、改ざんする、手を加える」という動詞です。
ここでのalterは「変える」という意味です。altered speechは「改変された発言」で、例えば話す速さが変更されたものなどです。altered parts of imagesは「改変された映像の部分」で、例えば体はそのままで顔の部分だけ別人のものに変えられた映像などのことです。
spreadは「広める、流布させる」です。
for the purpose of ...は「~の目的で、~のために」です。
(be) subject to ...は「~の対象となる」という意味です。ここではnot subject to the banですので「禁止の対象とはならない」、つまり削除されないということです。
なお、センテンス1のbanは動詞でしたが、このセンテンスでは名詞として使われています。
接頭辞co-には「共同の」という意味があります。co-founderは「共同創業者」です。
House speakerは「下院議長」です。the Houseは、米国や英国などの「下院」です。
draw attentionは「注意を引く、関心を引く」という表現です。
ディープフェイクと呼ばれる技術をめぐっては去年、ザッカーバーグ氏が実際には言っていないことをインタビューで言っているように加工した動画や、アメリカでロシア疑惑などをめぐってトランプ大統領と対立する野党・民主党のペロシ下院議長が、ろれつが回っていないように加工された偽の動画がSNSで拡散され、議論を呼びました。
back thenは「当時は」です。ここでは去年のことを指していますが、どちらかというと長い時間が経過した昔のことに使われるのが多い表現です。この文脈では、at the timeで言い換えることもできます。
ここでのindicateは「述べる」という意味です。
contentは「内容」で、ここでは前のセンテンスで例示されたディープフェイク動画を指しています。
opinions are dividedは「意見が分かれる」です。
ここでのoverは「~に関して、~について」という意味で用いられています。
a step forwardは「一歩前進、進歩」です。
whileは「~がいる一方」という対比の意味で用いられています。
that's becauseで始まるこのセンテンスは、前文の最後に出てきたit's not sufficient「十分ではない」としている人たちが、そのように考える理由を説明するものです。
misleadingは「誤解を招きやすい、紛らわしい」です。may be misleadingは「誤解を招くかもしれない、誤解を招く可能性のある」です。