2020年2月5日(水)
国際司法裁 ロヒンギャ迫害防止を命令
ROHINGYA, MYANMAR REACT TO WORLD COURT ORDER
英語タイトルのROHINGYA, MYANMAR REACT TO WORLD COURT ORDERは「ロヒンギャとミャンマー、国際裁判所の命令に反応を示す」です。
ミャンマーの少数派、ロヒンギャの人たちに対する迫害をめぐり、審理を進めている国際司法裁判所は、ミャンマー政府に対して迫害を止めるための措置を取るよう求める暫定的な命令を出しました。
今回のニュースを通して、「裁判所(の判決)が~を命じる、~するよう指示する」と伝えるときの英語表現を学びましょう。
The International Court of Justice has instructed the government to take urgent measures to prevent persecution of the group. The decision came as the court considers a lawsuit by Gambia accusing Myanmar of genocide.
Myanmar's foreign ministry says the government "takes note" of the decision, but repeated its position that there was no genocide. Thursday's unanimous ruling requires the country to report within four months on the protective measures it is taking.
More than 700,000 Rohingya fled to Bangladesh following a 2017 crackdown by Myanmar's security forces. The UN says Myanmar acted "with genocidal intent" that included mass killings, rape, and arson.
センテンスごとに学ぶ
rejoiceは「大喜びする」です。
本文で使われているafterは、単に時間的な前後関係を表すだけでなく、「~の結果、~のため」という意味を含んでいて、after以下はロヒンギャが大いに喜んでいる理由であることも示しています。
ミャンマーでは、少数派のイスラム教徒ロヒンギャの人たちが、軍や多数派の仏教徒による迫害に苦しんでいます。
the countryは「ミャンマー」を指しています。
abide by ...は「(約束・決まりなどに)従う、(約束・決まりなどを)遵守する」という意味です。
the International Court of Justice(ICJ)「国際司法裁判所」は、国連の司法機関です。個人や民間組織の事件を扱う裁判所ではなく、ここで当事者となり紛争の解決を提起できるのは国家だけです。
instruct A to ...は「~するようAに指示する」です。
(主に政府が取る)「対策、措置」をmeasuresと言い、通常は複数形で使います。take measuresは「対策を取る」です。
この裁判はミャンマーのイスラム教徒の少数派、ロヒンギャの人たちに対する迫害が大量虐殺などを禁じた条約に違反しているとして、イスラム協力機構を代表して西アフリカのガンビアがオランダのハーグにある国際司法裁判所に提訴したものです。
センテンス2のthe ruling「裁定」を、本文ではthe decisionで言い換えています。
裁判所などが事件を「審理する」というとき、本文のconsiderが使えます。名詞形はconsiderationで、「(裁判機関による事件の)審理」という意味があります。
accuse A of Bは「Bの行為をしたとしてAを糾弾する、非難する」です。
genocideは、人種・民族を意味するギリシャ語genosと殺害を意味するラテン語cideを組み合わせて作られた言葉で、ある集団や民族などの「大量虐殺、皆殺し、集団虐殺」です。ヨーロッパのユダヤ人根絶を試みたナチスの行為を指す言葉として、1944年にポーランド系ユダヤ人の弁護士が作った言葉です 。
本文では、the decision cameは過去形、the court considersは現在形になっています。これは、今回暫定的なdecision「判決」が出た一方で、ミャンマーの行為が大量虐殺に該当するかどうかの審理が今後も続くからです。
take note of ...は「~に留意する」という表現です。
ここでのpositionは「(公式の)見解、見方」です。
unanimousは「全員一致の、全会一致の」です。語源はラテン語のunanimusで、「1つ」を意味するunusと、「心、感情」を意味するanimusから成る言葉です。
require A to ...は「Aが~することを義務づける」です。
report on ...は「~について報告する」です。
the protective measures it is takingの部分は、the protective measures that it is takingのように関係代名詞thatを補うと分かりやすくなります。itは、the country(=Myanmar)を指しています。
fledは、flee「~に避難する、~を逃れる」の過去形です。身に迫る危険や不都合な事態を察知して急いで去るときに、この動詞を使います。
ここでのcrackdownは「弾圧」という意味です。international crackdown on drugsと言えば「ドラッグの国際的取り締まり」です。もとはcrack down「取り締まる」という句動詞で、crack down on drunken driving「飲酒運転を取り締まる」のように使います。
intentは「意図」です。
mass killingsは「大量虐殺」です。
国連の通称「ジェノサイド条約」はgenocideを、acts committed with intent to destroy, in whole or in part, a national, ethnical, racial or religious group「国民的、人種的、民族的、または宗教的な集団の全部または一部を破壊する意図を持って行われる行為」と定義しています。