2020年2月19日(水)
楽天 “送料無料”で公取委が検査
RAKUTEN RAIDED IN ANTITRUST PROBE
英語タイトルのraidは「手入れする、急襲する」、antitrust probeは「独占禁止の調査」という意味で、 RAKUTEN RAIDED IN ANTITRUST PROBEは「独占禁止で急に調査された楽天」です。
今回は、大手IT企業の楽天が公正取引委員会の立ち入り検査を受けたというニュースです。なぜ、そのような検査を受けたのでしょうか。これに対して楽天は、どのように述べているでしょうか。こうした点に注意しながら、インターネット通販の問題点を英語で学習し、会話でも話題として取り上げてみましょう。
Regulators suspect Rakuten may be violating the antimonopoly law by abusing its dominant position to force merchants to go along with the plan. The company wants to make deliveries free from mid-March on orders worth 3,980 yen or more. That's about 36 dollars.
Merchants say their businesses will suffer if they have to bear the cost of the free deliveries. Around 4,000 vendors have signed a petition calling for an investigation.
Rakuten CEO Hiroshi Mikitani said last month that he's determined to go ahead with the free shipping plan. The firm says it will cooperate fully with the antitrust probe.
センテンスごとに学ぶ
antitrust regulatorsは「独占禁止の調査員たち」ですが、これは次のセンテンスに出てくるthe Fair Trade Commission「公正取引委員会」のことを表しています。
ここでのmajorは「大手の」という意味です。
online mallは「インターネット市場」、operatorは「運営者、運営会社」です。
over its planは「その(楽天の)計画に関して」です。
free shippingは「送料無料、送料サービス」です。
NHK has learned that ...は「NHKでは(取材によって)~が分かった、情報として入手した」という意味です。
searchには「捜索する、検査する」という意味があり、ここでは「立ち入り検査をする」ことをこのように表現しています。
the Tokyo-based company「その東京に本社がある会社」は楽天のことです。本社は東京都世田谷区にあります。
冒頭のregulatorsは「公正取引委員会(の調査員)」を指しています。
ここでのsuspectは「疑いを持っている、嫌疑をかける」という意味です。
antimonopoly lawは「独占禁止法」のことです。なお、公正取引委員会ではThe Antimonopoly Actという英訳を使っています。
abuseは「悪用する、乱用する」です。
dominant positionは「優越的な立場」です。
merchantは「売買業者」ですが、ここでは「(インターネット市場の)出店者」のことです。
ここでのgo along with ...は「~に従う」という表現です。
公正取引委員会は、事業者(楽天)がその地位を利用して取引相手(出店者)に不利益を与える「優越的地位の乱用」に当たる可能性があるとして、楽天に対し立ち入り検査を行いました。
make deliveries freeは「配送料を無料にする」ですが、実際には出店者に送料を負担することを求めているわけです。
ここでのorderは「注文」という意味で、on orders worth 3,980 yen or moreは「3,980円相当か、それ以上の注文については」です。
businessが複数形になっていますので、ここでは各出店者の「店」という意味で使われています。
bear the cost of ...は「~の費用を負担する」という表現です。
free deliveryは「無料配達」です。
ここでのvendor「販売業者」も「出店者」を指しています。
signは「署名する」という動詞です。
petitionは「請願書」です。
call for ...は「~を求める」です。
楽天市場の送料をめぐっては、出店者らが加盟する団体が、公正取引委員会に調査を求めるおよそ4,000筆の署名を提出していました。
CEOは、Chief Executive Officer「最高経営責任者」のことです。
be determined to ...は「~することを決心している」という表現です。
go ahead with ...は「~を進める」ですが、「強行する」という強い意味を有しています。