2020年3月2日(月)
暗号機メーカーは米独のスパイが運営
CIA, BND 'READ ENCRYPTED INFO FOR DECADES'
英語タイトルのencryptedは「暗号化された」、infoはinformation「情報」のことです。CIA, BND 'READ ENCRYPTED INFO FOR DECADES'は「CIAとBNDが『暗号化された情報を何十年にもわたり解読していた』」です。
1960年ごろから、日本を含む120か国以上に販売されていた外交公電などに使われる暗号機の製造会社が、実はアメリカとドイツの情報機関によって秘密裏に運営され、各国の機密性の高い情報が解読されていたことが分かったと欧米メディアが報じました。
本文に出てくるintelligence agency、eavesdrop、rigなどの用語に注目しながら、かつての外交関係や暗号機についての情報への理解を深めましょう。
The Washington Post and German public broadcaster ZDF jointly reported on the case. Their reporting reveals that from the 1970s, the CIA and its German counterpart, the BND, owned and controlled Crypto AG, an encryption company that sold its equipment to over 120 countries.
The spy agencies rigged the company's devices to listen in on both friends and enemies, including monitoring Iran during the 1979 hostage crisis. The Soviet Union and China were never Crypto customers as they were suspicious of the company's ties to the West.
Both the CIA and the BND have declined to comment.
センテンスごとに学ぶ
intelligenceには「知性、知能」という意味もありますが、ここでは「諜報活動」という意味で、intelligence agencyは「情報当局」です。具体的な名称は、センテンス3に出てきます。
reportedlyは「伝えられるところによると」という副詞です。
eavesdropは「盗聴する」です。
hiddenは「秘密裏の」で、ここでのcontrolは「運営」です。
encryptionは「暗号」で、encryption firmは「暗号機(製造)会社」です。
public broadcasterは「公共放送」です。ZDFは、ドイツの公共放送Zweites Deutsches Fernsehenの略称です。
jointlyは「合同で」です。
今回の件は、アメリカの有力紙ワシントン・ポストとドイツのZDFが、独自に入手した文書などをもとに伝えたものです。
revealは「明らかにする」です。「通常知られていないことを示す」というニュアンスです。
CIA(Central Intelligence Agency)は、アメリカの「中央情報局」です。
counterpartは「同等に対応するもの」で、違う組織の職務や機能が同じ相手を指します。
BND(Bundesnachrichtendienst)「連邦情報局」は、当時の西ドイツの情報機関です。
AGは、ドイツ語のAktiengesellshaft「株式会社」の略です。
ここでのrigは「不正操作する」という意味で、盗聴が可能になるようCIAとBNDが秘密裏にクリプト社を運営していたことを示しています。
listen inは「盗聴する」という句動詞です。
friendは、ここでは「同盟国」を指しています。
ここでのmonitorは「盗聴する」という意味です。
hostageは「人質」です。ここでは、1979年に起きたイランのアメリカ大使館占拠事件を指しています。
the Soviet Unionは「ソビエト連邦」(旧ソビエト)です。正式名称は、Union of Soviet Socialist Republics「ソビエト社会主義共和国連邦」です。
customerは「顧客」です。
be suspicious of ...は「~を疑っている」です。
ここでのtieは「関係」で、この意味では複数形で用いられます。